佐賀県内の若手芸術家4人による展覧会「四人展『it(イット)』」が現在、喫茶「アリユメ」(佐賀市中央本町1)で開かれている。
出展作家は、諸井謙司さん、橙屋(だいだいや)三蔵さん、西村沙織さん、高祖幹子さんの4人で、いずれも佐賀県立佐賀北高校出身。
「アリユメ」社長の寺元晴一郎さんが「岡田美術館」(神奈川県足柄下郡箱根町)の副館長だった時、諸井さんの作品展示を始めたことから今年5月、諸井さんと美術部の同級生、橙屋さんと同店で「2人展」を開催したのがきっかけ。同展に来場した諸井さんの2年先輩の西村さんが、一緒に展覧会を行うことを2人に提案、同高校芸術コースの同級生の高祖さんを誘い4人のユニットを結成、「芸術を身近なもの、『it=それ』として感じてほしい」というコンセプトで作品展を行うことになった。
展示は、諸井さんが「理想と現実の交錯点を探究」をテーマに制作したブロンズ彫刻、橙屋さんが独自の感性で和紙などを貼り合わせた抽象画、西村さんが独特の技法を用いて描いた自身の愛猫の絵画、高祖さんが佐賀県武雄市の樹齢3000年以上の「武雄の大楠」を題材に描いた日本画など。
諸井さんは「佐賀は人口の割に画廊も展覧会の頻度も多く、古くより陶磁器、織物など芸術的にも優れた作品を世に送り出すなど、アートを高く評価し応援する土壌がある。一緒に展覧会をしたいという若手芸術家がすでに10人近く名乗りを上げている。若手が長く活動を続けられるように、今後はメンバーを増やして、コンスタントに開催していきたい」と意気込む。
西村さんは「生まれ育った佐賀を『アートの街』にして地域貢献したい。この展覧会が、街にアートが根づくきっかけになれば。それぞれ光る個性を持つ4人の作品をぜひ見に来てほしい」と呼び掛ける。
開催時間は10時~17時(7日・8日は18時まで)。入場無料。12月8日まで。