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佐賀「楠乃花蒸溜所」が高濃度アルコールのクラフトスピリッツ 地元素材にこだわる

「スティルダム・サガ」社長でマスター・ディスティラーの和田真司さん

「スティルダム・サガ」社長でマスター・ディスティラーの和田真司さん

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 「楠乃花蒸溜(じょうりゅう)所」(佐賀市諸富町徳富)が5月1日、アルコール度数75%のクラフトスピリッツ「楠乃花フレーバード・スピリッツ75」の販売を始める。

「楠乃花蒸溜所」のクラフトスピリッツ「楠乃花フレーバード・スピリッツ75」

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 佐賀県内の酒造メーカーで約30年間勤めた社長の和田真司さんが「佐賀初のクラフトジンを造りたい」と昨年5月に「蒸留を溜(た)める」という意味を込めた会社「スティルダム・サガ」を設立、筑後川沿いの大中島に、敷地内のクスノキの花から名付けた蒸留所を新設した。オランダから蒸留器「iStill(アイスティル)」を導入し、4月にスピリッツ製造免許を取得。今後、佐賀産の素材を使ったオリジナルのクラフトジンを製造していくという。

 和田さんは「150年ほど前、幕末の佐賀藩がオランダから蒸気船『電流丸』を輸入し、藩の技術者に調べさせて建造した『陵風丸』の物語から、蒸留器に『電留丸』と名付けた。蒸留所のすぐ近くに筑後川昇開橋が、その先には『凌風丸』が建造された三重津海軍跡と、歴史ある産業遺産の近くに設立できたのも何かの縁かもしれない」と話す。

 今回製造した「楠乃花フレーバード・スピリッツ75」は、佐賀県鹿島産の有機レモン「リスボン」をピールに加工し、「天山酒造」(小城市小城町岩蔵)の純米焼酎原酒に漬け込み再蒸留した、ほのかにレモンの香りがするクラフトスピリッツ。和田さんによると、ハーフロックや、カクテルの材料として楽しむことができるほか、75%の高濃度アルコールを含むことから消毒用エタノールの代替品として、手指消毒に使用することが可能という。

 和田さんは「できるだけ佐賀の素材にこだわりたいとの思いで造った、佐賀県初のクラフトスピリッツ。通常であれば3,000円くらいになるが、新型コロナウイルス感染症による現状を踏まえ、手にしてもらいやすくした。お酒に関わる業界の取り巻く環境は大変厳しいが、共に苦境を乗り越えられたら」と話す。

 価格は375ミリリットル=1,700円(税別)。佐賀県内の「スーパーモリナガ」、「佐賀玉屋」(中の小路)、「山田酒店」(赤松町)、「しめなわ」(神野東1)、「旭屋」(鍋島町蛎久)などで1000本限定販売する。

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