大隈重信記念館(佐賀市水ケ江2、TEL 0952-23-2891)が現在、新しく収蔵された大花瓶に関する情報を募集している。
情報を求めているのは、12月14日から同館エントランスで一般公開を始めた「七宝焼花鳥紋大花瓶(しっぽうやきかちょうもんだいかびん)」。高さ151センチ、最大直径65センチ、重さ26キロで、七宝焼作品としてはかなり大きいという。2本1対の作品で、側面には桜や藤、シャクヤクなどの色とりどりの花、口周りには鳳凰、足周りには水の流れを表す模様が描かれている。企画展「明治を過ごした大隈邸 ~日本近代化の発想はここから~」に合わせて、早稲田大学大学史資料センター(東京都新宿区早稲田鶴巻町)が同館に寄贈した。
江口直明館長によると、大花瓶は「誰が、いつ、なぜ、どのようにして」大隈の邸宅に持ち込んだかが一切不明といい、早稲田の邸宅の一室で大隈を撮影した写真に大花瓶が写っていたことから、自宅に大花瓶を飾っていたことは確かだが、自ら購入したのか、誰かからプレゼントされたのか記録がないため分からないという。大花瓶にも謎が多く、底面に書かれた「三籟(さんらい)製」という銘以外、作者や製作年代に関する手掛かりもないという。
江口館長は「展示に当たりいろいろ調べたが、不明な点が多い。自分の持っている知識と大花瓶がつながる人がいたら、ぜひ当施設のスタッフに教えてほしい」と呼び掛ける。
開館時間は9時~17時(入館は16時30分まで)。入場料は、大人=330円、小中学生=160円。12月29日~来年1月3日休館。