佐賀市在住の書道家、山口芳水(ほうすい)さんの個展「Capture the times(キャプチャー・ザ・タイムズ)」が現在、アートギャラリー「NO ART(ノーアート)」(佐賀市新栄東4)で開かれている。
今年3回目の個展で、山口さんの作品制作・発表の場として開設した同ギャラリーのオープンに合わせて企画した。
今回の「目玉」は、個展名と同名の縦1.3メートル、横3メートルの書画。サッカーJ1・サガン鳥栖の運営会社「サガンドリームス」(鳥栖市京町)の初代社長で、人材会社「クリーク・アンド・リバー」(東京都港区新橋)社長の井川幸広さんからの依頼を受けた。「クリーク・アンド・リバー」にちなみ「水」をテーマに、佐賀市富士町内の嘉瀬川上流が流れる山間部を制作場所に選び1日で描き上げた。
山口さんは「清涼な空気、鳥のさえずり、雨の恵みを全身に取り込み、大自然の雄大さを感じながら、川の水をくんで塗料を作り、目に見えない水の持つエネルギーを視覚化した。川面に足を漬かりながら筆を走らせることにも挑み、絶えず流れ続ける川の流れと体の動きが融合していく姿をそのままキャンパスに表現した」と話す。親交ある映像クリエイター・西英行さんがまとめたメーキングビデオをギャラリー内のテレビモニターで公開している。作品は個展終了後に「クリーク・アンド・リバー」の社長室に掲げられる予定という。
そのほか、ギャラリーのコンセプト「純白」をテーマに、人気アニメキャラ「ドラえもん」のフィギュアを白く塗った「招きドラえもん」や、ブランドバッグを真っ白に変え無垢(むく)な姿に生まれ変わらせた「reset(リセット)」などの作品も展示している。
山口さんは「作品を見ただけではその意味が分かりにくいが、作者の説明を聞いて『なるほど』と理解して作品に一層心が奪われる『アート体験』を、この機会に体感してほしい。この展示会をきっかけにアートファンだけでなくプレーヤーも生まれてくれたらうれしい」と話す。
開館時間は12時~18時。水曜定休。入場無料。9月1日まで。