佐賀ゆかりのアーティストが作品を展示する「イオン佐賀大和美術館」が8月10日から、イオンモール佐賀大和(佐賀市大和町尼寺)内の2Fイベントホールで始まった。
「枠にとらわれない美術館」をコンセプトに開催する同イベント。地域貢献を目的に、同店の森雅信店長と、オンラインマガジン「SAGARICH(サガリッチ)」編集長でイベントなどのプロデュースをしている山口賢人さんらが企画した。山口さんは「佐賀のアーティストと親交を深める中で気づいた彼らのハイレベルな芸術性を地元の人たちにもぜひ知ってほしいと願い、活躍の場を創出した」と話す。
メイン企画は、森店長の母で85歳の画家・森弘江さんの作品展「光と影~斜光」。ガラスコップやワイングラスに光をかざし浮かび上がった影を描写した油絵をホール内に16点、モール内の通路に10点を展示する。佐賀在住の映像クリエーター・西英行さんによるプロジェクションマッピング、フラワーアーティスト・松本光さんの作品展示も行う。
「既存の美術館にないくつろいだ空間」(山口さん)としてカフェカウンターを併設し、カフェラテとブラックコーヒーを無料で提供。人工芝エリアにはインテリア雑貨店「Yogiho(ヨギホー)」(大阪市中央区)の「体にフィットする魔法のクッション」を設置し、ホール中央には家具メーカー「レグナテック」(佐賀市諸富町山領)がイベントに合わせて制作した黒のテーブルと椅子を並べている。
期間中の土曜・日曜には、佐賀のミュージシャン・徳丸英器(えいき)さん、池田隆臣さん、野副一喜さんが交代で1日3回のミニコンサートを行う。初日を担当した徳丸さんは、3回の公演を通して観客と共に1曲を作り上げるという「枠にとらわれないライブ」(徳丸さん)を行なった。
山口さんは「従来のアート鑑賞は美術館という非日常空間でひっそりと楽しむものだったが、その常識を取り払い、買い物客で行き交う極めて日常的な空間で味わうという新たなライフスタイルを提案した。この取り組みは今後さらに発展させていきたい。自由なスタイルで鑑賞を楽しんでもらえれば」と呼び掛ける。
開館時間は11時~19時。入場無料。8月25日まで。