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佐賀出身の芸術家・吉岡徳仁さんの「ガラスの茶室-光庵」展示 大作に来場者魅了

光に照らされる「ガラスの茶室-光庵」

光に照らされる「ガラスの茶室-光庵」

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 佐賀市出身アーティスト・デザイナー、吉岡徳仁(とくじん)さんの特別展「吉岡徳仁 ガラスの茶室-光庵(こうあん)」が現在、佐賀県立美術館(佐賀市城内1)で開かれている。

同時展示されている、水の流れをイメージしたガラスのテーブル「Waterfall」。

 吉岡さんは、世界的デザイナーの倉俣史朗、三宅一生さんに学んだ後、2000年に自身のデザイン事務所を設立し、デザイン、アート、建築など幅広い分野でグローバルに活躍し、ジャンルの枠を超えた創作活動を展開してきた。光と自然をテーマにした独特の作風で、人間の感覚を光、音、香りなどの非物質的な要素で表現した作品は国内外で高い評価を受け、アメリカのNewsweek(ニューズウィーク)誌が発表した「世界が尊敬する日本人100人」にも選出された。現在、ニューヨーク近代美術館など世界の主要美術館に作品が永久所蔵されている。

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 「ガラスの茶室-光庵」は2011年、第54回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展で発表された作品で、2015年には京都の天台宗青蓮院門跡(しょうれんいんもんぜき)境内、将軍塚青龍殿の大舞台に設置されたことでも話題になった。吉岡さんが中学生のときに初めて自作の絵画を出展したのが佐賀県立美術館であったこと、2015年には同館の改修を記念して個展を開催したことなどが縁で、九州でも初めて展示が決まり、昨年11月28日に特別展が始まった。

 1枚の巨大な白い布にライトを当てた「光の壁」に照らされ、透明なガラスで構築された茶室は、展示空間を含めて一つの作品と見なす「インスタレーション」の手法が用いられている。学芸員の安永浩さんは「色彩のない無機質な茶室が、光と調和しながら飾り気のない本質を浮かび上がらせている。周りの空間を巻き込み、自然と一体化した姿を見せてくれる。私たちに『日本文化の根源』を問い掛けている作品」と解説する。

 展示期間中、茶室内では茶道裏千家淡交(たんこう)会佐賀支部など各流派団体による「お点前」パフォーマンスが行われてきた。安永さんによると、参加者からは「普段の茶室と異なり、ガラス越しに人々の視線を受けるので、緊張感がありいつもとは違う心境でお茶をたてた」という声があったという。

 以前から吉岡さんの作品を鑑賞してきたという佐賀市在住の和久井聖子さんは「じかに『ガラスの茶室』を見ることができて感動した。随所に見る人を楽しませる工夫がなされていて、吉岡さんの作品の奥深さが分かった」と感想を述べた。

 安永さんは「作品は今後、東京で展示された後、世界中を巡回する計画だと聞いている。佐賀で見る機会はこれが最後になる可能性が高いので、足を運んでもらえれば」と呼び掛ける。

 開館時間は9時30分~18時。入場料は、前売り=1,100円、当日=1,300円、高校生以下・障がい者手帳を持つ人とその介助者1人は無料。2月11日まで。

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