佐賀城本丸歴史館(佐賀市城内2)の開館16周年を祝うカノン砲発射イベントが8月1日、同館御玄関前で開催された。
企画学芸課の鈴木良太さんによると、2018(平成30)年に佐賀県内で開催された「肥前さが幕末維新博覧会」で、開館記念日の8月1日に記念イベントの一環としてカノン砲の空砲を7発発射したことが始まりで、翌年から毎年同日に空砲5発を発射している。
当日は50人以上の観客が集まり、新型コロナウイルス感染症対策をした上でカノン砲の発射を見守った。発射前は、発射の合図「撃てー!」の掛け声を行う子どもを選ぶジャンケン大会も行った。当日司会を務めた、佐賀を拠点に活動するソロアイドル「ひぜんりさ」さんとジャンケンを行い5人を選んだ。
イベントでは、学芸員らが扮(ふん)する「クイズ侍」と「ものしり侍」の2人が登場し、集まった観客らはクイズと解説でカノン砲について学んだ。カノン砲が砲身から放たれると、「佐賀城の障子や植え込みの木々が震えるほど」(同館ボランティアスタッフ)の爆音と白い煙があがり、会場ではあまりの音の大きさに耳を軽く押さえつつも楽しそうに見守る観客や、発射の瞬間を写真や映像に残そうとカメラのレンズを構える観客の姿があった。
鈴木さんは「カノン砲の発射は風と天候との闘いで、当日でも中止になることもあるので、無事開催できたことが一番うれしい。新型コロナウイルス感染症で大変な時期だが、佐賀城の夏の思い出になればと思い館長とスタッフが協力して開催した。参加者たちのいい記念になれば」と笑顔を見せる。