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佐賀城本丸歴史館で「首都・東京の誕生に関わった佐賀人」展示 大木喬任を中心に

東京府知事としての大木喬任の活躍を示す資料を前に、来場を呼び掛ける学芸員の芳野貴典さん

東京府知事としての大木喬任の活躍を示す資料を前に、来場を呼び掛ける学芸員の芳野貴典さん

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 佐賀城本丸歴史館(佐賀市城内2)開館15周年記念特別展「東京をつくった佐賀人たち」が10月11日、同館で始まった。

大木喬任が修正案を書き加えた「東京奠都詔書案」の一部

 「東京オリンピック・パラリンピック」応援プログラムの同展。学芸員の芳野貴典さんは「オリンピックの開催を間近に控え、国内外の視線が東京に集まる今だからこそ、幕末から明治にかけて東京の街づくりに関わった佐賀藩士たちを紹介したい」と話す。

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 同展では、日本の首都を東京に移した1868(慶応4)年の「東京奠都(てんと)」を江藤新平と訴え、第2代東京府知事を務めた初代文部卿(文部科学大臣)・大木喬任(おおきたかとう)を中心に、5人の「佐賀人たち」と東京の関わりについて実際の資料を中心に紹介する。

 芳野さんは「東京がどのようにして日本の首都になったのかを調べていくと、大木が全体をリードしていたことに気付いた。大木喬任の活躍なしに首都・東京の成り立ちは語れないと思い、主役に抜擢した」と話す。「江戸時代までの首都・京都と新たな首都になった東京の間を大木が文字通り東奔西走し、東京が首都になった後も府知事として住民のために力を尽くした姿をあらためて紹介したい」とも。

 展示会場の一つ「御小書院(ごこしょいん)」では、大木と東京の関わりを示す資料を展示する。天皇の住まいを東京に移すことを訴えた書状「『御東幸を願う』意見書」について、芳野さんは「同じ時期に江藤が提出したものと並べて展示したので、二人の好対照な文面を見比べてほしい」と話す。

 展示はこのほか、岩倉具視が書いた公文書の下書きに大木が細かい表現の修正案を追記した「東京奠都詔書案」、大木が同郷の江藤新平に宛て東京の制度改革の苦労をこぼす手紙など。11月9日からは、大木が江藤とともに新政府に提出し、政府の運営に大きく影響を与えた「大木喬任遷都(せんと)建白書」の実物を展示する。

 芳野さんは「『首都・東京』ができるまでに、今回の主役である大木をはじめ佐賀出身の人物が行政・インフラ・建築と大きく関わっていたことが感じられる展示になっている。ぜひ足を運んで、世界に誇る大都市となった東京の『始まり』を知ってほしい」と呼び掛ける。

 開催時間は9時30分~18時。入場無料。12月8日まで。

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