家具展示イベント「第10回諸富家具コレクション」が12月10日、造り酒屋跡を改修した文化交流施設「旧枝梅酒造」(佐賀市八戸2)内イベントホール「東の蔵ホール」で始まった。主催は諸富家具振興協同組合(諸富町為重)。
佐賀県指定伝統的地場産品に認定されている諸富家具の普及啓発と、家具作りの技術を駆使した「アート」を楽しめる場所の提供を目的とした同イベント。これまで佐賀県立博物館(城内1)、佐賀県庁1階ホール(城内1)、「レストラン&カフェ浪漫(ろまん)座」(柳町2)などで開いてきた。10回目の今回は「今、よみがえる古き良き文化と諸富家具とのハーモニー」をスローガンに、平田椅子製作所(諸富町徳富)、レグナテック(諸富町山根)、飛鳥工房(諸富町徳富)、ミマツ工芸(神埼市千代田町柳島)が出展する。
組合理事でレグナテックの樺島雄大社長は「大川家具と比べて諸富家具の知名度はまだ低い。有田焼と並ぶ佐賀の伝統的地場産業として、多くの人に家具を身近に触れてもらう機会を設けてきた」と話す。今回の開催地を探していた樺島さんがネットでたまたま知った旧枝梅酒造を9月に下見に訪れ、伝統的な建造物を気に入り、その場で開催を申し入れた。
会場には出展メーカーの若手職人が手掛けたテーブルやルームチェア、海外デザイナーによる和と洋のテイストを融合した収納ボックスなど約70点の家具が並ぶ。「特別ゲスト」として佐賀市在住の陶芸家、西岡孝子さん、小川洋一さん、中島梢さんの陶磁器を陳列している。「数世代にわたり家庭の中で使用できる家具と陶磁器は親和性が高く、一緒に展示することでお互いの魅力を引き出し合う」と樺島さん。
職業能力開発校「佐賀県立産業技術学院」(多久市多久町)の木工芸デザイン科による作品展「インテリアデザイン展 ヒトトキのかたち」も同時開催。生徒一人一人がデザインから制作まで手掛けた椅子やランプシェードなどの作品も展示する。
樺島さんは「今回は歴史ある建物の広い空間に次の時代を担う若手の作品を中心にそろえ、『新旧の価値が出合うところに文化が創られる』ことを意識した。良いものを長く愛用していただくのが私たちの願い。洗練された家具たちとの出合いを楽しんでもらえれば」と呼び掛ける。
開館時間は10時~17時(最終日は15時まで)。月曜休館。入場無料。今月20日まで。