女性向け衣料品などの製造・販売を行う「bonbon felt tina(ボンボン・フェルト・ティーナ)」(福岡県朝倉市秋月)の長谷川信(まこと)さんが6月22日・23日、高校時代まで生活し、現在は交流施設にリニューアルした「旧枝梅酒造」(佐賀市八戸2)で展示販売会「EDAUME & bonbon felt tina展」を開いた。
長谷川さんは旧枝梅酒造を創業した塚原喜六の孫で、大学進学を機に佐賀を離れ千葉市で同社を開業。デザイナーをしている妻の実家がある朝倉市に工房を移した後は福岡を拠点に、現在は商業施設「博多リバレイン」(福岡市博多区)にも店舗を構えている。
2009(平成21)年に操業停止した旧枝梅酒造を再活用するプロジェクトを知人から聞いた長谷川さんは、かつての実家を中心に町を活性化させる取り組みに一役買いたいと思い、今年5月に、跡地を管理するNPO「まちの根太(ねだ)」代表の武廣正純(たけひろまさずみ)さんと会談の場を持ち意気投合。「里帰りの意味も込めて、自分がこれまでやってきたことをお見せする機会にしたい」と、自社製品を出展することになった。
会場にはフェルトを独自の技法で編み上げた衣服、小物雑貨など約200点を展示。ハンドメードのウエディングドレスやショールなどを並べたほか、1枚のオリジナルショールを参加者が共同制作するワークショップも開かれた。連絡を取り来場を呼び掛けたという長谷川さんの学生時代の同級生らが多数訪れ、「同窓会」さながらに再会を喜び合う光景も見られた。
長谷川さんは「ご縁があり、実家を出て以来約60年ぶりにこの場所で活動できてうれしい。旧友たちとも親交を深めることができた。10月にはさらに規模を増やした展示販売会を開く予定。少年時代を過ごした町並みのにぎわい創出にこれからも協力したい」と話す。