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長崎街道の歴史的景観守りたい 佐賀市が「旧枝梅酒造」活用者募集

長崎街道「ノコギリ型家並み」を形成する佐賀市八戸地区の中心的建物「旧枝梅酒造」

長崎街道「ノコギリ型家並み」を形成する佐賀市八戸地区の中心的建物「旧枝梅酒造」

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 佐賀市八戸地区長崎街道沿いに残る「旧枝梅酒造」(佐賀市八戸1)の建物見学会と活用者募集説明会が2月21日、同所で開かれた。

長崎街道沿いで江戸時代中期から造り酒屋を営んでいた枝梅酒造の建物

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 江戸時代、小倉と長崎を結ぶ長崎街道において佐賀城下に続く郷宿として栄えた八戸地区には、街道に対して斜めに建てられた家屋が並ぶ「ノコギリ型家並み」が今も残る。見学会と説明会は、その歴史的景観を残したいという地元の熱意を受け、「ノコギリ型家並み」の中心的建物である旧枝梅酒造を所有者から寄贈を受けた佐賀市が八戸町自治会とともに開いたもの。

 第1部では「八戸地区の歴史と文化を考える会」会長の井手良治さんと、公益財団法人鍋島報效会主任学芸員の富田紘次さんを講師に迎え講演会を行った。井手さんは「八戸町の歴史」について、富田さんは「佐賀城下西エリアの歴史的特徴」について、それぞれ話し、かつて八戸地区が佐賀城下の西の玄関口だったこと、当時のにぎわいをしのばせるものが多く残っていることを説明。井手さんは、八戸地区にある遺跡や伝統行事を守り、後世に伝えていくため、さまざまな活動を行っていると話した。

 続く第2部では、「八戸地区の歴史と文化を考える会」のメンバーが旧枝梅酒造の建物を案内して酒造工程を解説し、訪れた人たちは今も建物の中に残る酒造用の設備を興味深く見ながら話に聞き入った。

 第3部は旧枝梅酒造の活用者募集説明会で、参加者は資料を手に市の担当者の説明を受けた後、実際の活用案などを挙げ、活発な質疑応答を行った。

 今回募集するのは街道に面した旧枝梅酒造の建物3棟のうちの主屋に当たる部分で、施設面積は約100~150平方メートル。地域と連携して八戸地区のにぎわいづくりに貢献することができる施設活用者で業種は不問。申込期限は3月11日。3月中旬から下旬にかけて書類選考と審査会を行い、活用者を決め、2018年のオープンを目指す。

 八戸町自治会の江越みどり会長は「歴史と文化のある八戸地区は学校などと連携して生涯学習を通じた福祉のまちづくりを行っている。今後、その拠点となるような場所になってほしい」と期待を込める。

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