窯元「八戸窯(やえがま)」(佐賀市八戸2)が2月1日~3日、手作りの天然酵母パンやスイーツを製造販売する「咲楽(さくら)」(八戸2)とコラボし、イチゴの作品や商品を展示販売するイベント「いちごフェア」を開いた。
「いちごフェア」で販売された、イチゴにちなんだパンやスイーツ
窯主の西岡孝子さんは、コーヒーのテレビCM「違いがわかる男」にも出演した陶芸家の會田雄亮(あいだゆうすけ)さん(故人)に師事。1994年に開窯後は独自の製法を駆使して磁器を制作する一方、「九州山口陶磁器展」産業部門で佐賀県知事賞を受けるなどの受賞歴を持つ。
今年に入り、近所に住み以前から親交があった「咲楽」の店主・松永淳子さんが佐賀県産のイチゴの新品種「いちごさん」を使った「いちごさん大福」を作ったことを知り、創作のインスピレーションが湧いたという西岡さんはイチゴの絵柄をあしらった磁器を制作。松永さんとイチゴをテーマにしたイベントをやりたいとコラボを呼び掛けた。
西岡さんは、自作の茶わん、コーヒーカップ、プレートなど以前から店内に陳列する作品に加え、最新作のイチゴ模様の小皿を展示。松永さんはイベントに合わせて、「いちごさん大福」に加えて、薄切りのイチゴを挟んだミニパン「豆乳あんバターといちご」や、「いちごのビスコッティ」「いちごポルボロン」などを用意した。
当日は西岡さんがインスタグラムなどSNSを使って来店を呼び掛けたこともあり、多くの客が訪れた。西岡さんが、「金太郎あめ」の要領で異なる色土を何層も重ねて粘土の断面を薄く切り磁器を形作る「練り上げ」という製法の説明を熱心に聴き入る客の姿もあった。「いちごさん大福」は完売するほどの人気で、客からは「イチゴがきれいに餡(あん)に包まれていて、餡の上品な甘さとイチゴの甘酸っぱさが口いっぱいに広がりとてもおいしかった」と感想が寄せられた。
西岡さんは「磁器とイチゴのコラボという聞き慣れない催しだったが、『いちごさん』の反応もよく好評だった。季節が変われば、別の果物やスイーツをテーマにしたイベントも企画したい」と話す。