「野中蒲鉾(かまぼこ)」(佐賀市西与賀町高太郎、 TEL 0952-23-3658)が「佐賀牛入りすき焼き天」の販売を始めて2カ月がたった。
1924(大正13)年、初代野中勝市が天ぷらの製造を始めた同社がある西与賀町高太郎・今津地区は、佐賀藩十代藩主鍋島直正が構築した鍋島藩海軍の基地で、近くには魚市場があり、ちくわやかまぼこの製造所が20軒以上もあったという。
「全国蒲鉾品評会」で1978(昭和53)年に現在の「にぎりちくわ」が、2004年に「おさしみ蒲鉾」がそれぞれ最高賞に当たる農林水産大臣賞を受賞。「がばいうまか焼ちくわ・まる天」「おさかなミンチコロッケ」など定番商品や、ドーナツの生地にすり身を混ぜ合わせた「おさかなドーナツ」など技術を生かし新たな商品作りも続けている。
「佐賀牛入りすき焼き天」は、佐賀牛とこんにゃく、ゴボウ、玉ネギをすき焼きの割り下で甘く味付けし炊き込み、魚肉のすり身と合わせて揚げて仕上げたもの。佐賀牛は魚のすり身と合わせたときの食感が硬すぎず、やわらかすぎずしっくりさせるようにとすね肉を選んだという。客の声を聞きながら商品を完成させ、昨年10月末の同社の感謝祭に販売を始めた。
営業部の森園裕基さんは「佐賀にゆかりのある商品を出すことができた。お客さんからも『おいしい』など反応もよく、手土産用に買ってくださる方も多い。今後、販売先を増やすことと併せて、コンビニや居酒屋向けにお店で揚げたてを食べてもらえるような『佐賀牛入りすき焼き天』も作っていきたい」と話す。
価格は5枚入り=1,080円。同社直売所で販売する。