学校教育用の合唱曲や校歌などを手掛ける佐賀県神埼市在住の作曲家・弓削田(ゆげた)健介さんが自身の誕生日の11月23日、初の絵本作品「しあわせになあれ」を出版した。
作曲家のほか、歌手としても日本全国でコンサートを年間150本以上行うなど、精力的に音楽活動を展開する弓削田さん。PTAの研究大会など大規模イベントでのステージを経験し、近年は、国内のみならず、イタリア、オーストリアなどヨーロッパを中心に海外でも公演を行っている。
弓削田さんが絵本を出版したきっかけは、出版社「瑞雲舎(ずいうんしゃ)」(東京都港区)社長の井上みほ子さんから、弓削田さんが「名前」をテーマに作曲した合唱曲「しあわせになあれ」を題材にした絵本の出版を提案されたことから。弓削田さんは「子どもたちに伝えたいメッセージを込めた曲なので、子どもたちの目にとまる絵本になるのは夢のよう」と振り返る。
名前を与えられたこどもがだんだん成長し、やがて独り立ちしていくまでの姿を描く。絵本の挿し絵は「児童文芸新人賞」などの受賞歴を持つ絵本作家・松成(まつなり)真理子さんが担当した。弓削田さんは「松成さんが描き下ろした絵を見て涙が出るほど感動した。歌の持つイメージを何倍にも広げてくれた。これから、コンサートで音楽と絵のコラボレーションを考えるのが楽しみ。絵本の読み聞かせ活動をしているボランティアグループにも動画やスライドを活用していただけるよう準備している」と話す。
絵本の売り上げは社会貢献活動に寄付するという。「一生懸命作った歌を絵本にしていただけたのはとても光栄なことでご褒美のようなもの。お世話になった人たちや社会に恩返しをしていきたい」と弓削田さん。
価格は1,404円。全国の書店などで販売する。