「佐賀県国際交流プラザ」(佐賀市白山2)で4月8日、アーティストのミヤザキケンスケさんが世界各地で壁画を描くプロジェクト「Over The Wall(オーバーザウォール)」第3弾のキックオフイベントが行われた。
佐賀市生まれで、高校の頃から本格的に絵を学び始めたミヤザキさん。ライブペイントや絵画ワークショップを行うほか、フィリピンの孤児院やロンドンでの壁画制作など、世界を回りながら絵を描くことにも力を入れてきた。2006年からケニアのスラム街で始めた「壁画プロジェクト」では現地の人々と共同で作品に取り組むスタイルに反響が多く、同国でのプロジェクトは2010年、2015年と3回続けてきた。
海外で現地の人と取り組む壁画プロジェクトを年間通じた活動にしたいと2016年に「Over the Wall」を立ち上げ、同年に東ティモール、2017年にウクライナでプロジェクトを実施。海外でのプロジェクト4カ国目となる今年はエクアドルでの実施を決め、その概要を発表した。
日本とエクアドルの外交関係樹立100周年となる今年、同プロジェクト通じて、首都キト、キトゥンべの女性刑務所に併設する受刑者の子どもを預かる施設で母や子どもたちと壁画を描くほか、スポンサーから提供を受けたマイクロバスへのペインティング、現地小学生との海外ワークショップを予定している。ミヤザキさんによると同プロジェクトは、在エクアドル日本国大使館などが実施する「日・エクアドル外交関係樹立100周年事業」にも認定されたという。
ミヤザキさんらは8月23日にエクアドルへ出発。現地で行われる「日本祭り」でバスへのペイントを行った後、9月1日から約3週間、女性刑務所での壁画制作とワークショップ、地元小学校でのワークショップを行うという。10月中旬には佐賀などで報告会を予定する。現在、プロジェクトを応援するための年間サポーターを募集している。
ミヤザキさんは「エクアドルもこれまでとはまた違う難しい課題を抱えている場所。現地の子どもたちと壁画に取り組み、現地の人たちが精神的にプラスになるような活動をしたい」と意欲を見せる。