佐賀市の中心街「白山アーケード」近くに6月22日、アライグマの集団が現れた。
佐賀市中心街「白山アーケード」近くの屋根上でじゃれ合うアライグマ
現れたアライグマの写真撮影に成功したのは、市民活動支援拠点「佐賀市市民活動プラザ」副プラザ長の秋山翔太郎さん。写真の趣味を生かし、人との出会いを中心に写真撮影する「コミュニティフォトグラファー」として情報発信していく活動も行なっている。
秋山さんが写真を撮影したのは22日19時から19時30分ごろ。「白山アーケード」沿いの「佐賀商工ビル」(佐賀市白山2)7階にある同施設で秋山さんらスタッフが受付後ろ側の休憩スペースに居た時、勤務を終えた職員の一人が、ビル周辺店舗の屋根上でカラスが何らかの動物に「ちょっかいを出している」のを発見した。カラスは猫を相手にしていると見えたが、そのうち「(相手は)アライグマの子どもではないだろうか」とスタッフ同士で騒ぎになり、その数も多かったことから、秋山さんが所有する望遠レンズを持ち出し写真数枚を撮影した。秋山さんによると、アライグマは「ざっと数えて8匹」。屋根伝いに一家総出で移動している様子で、時折親子でじゃれ合うような愛くるしさがあったという。
撮影後の24日、秋山さんが自身のフェイスブックに「佐賀市白山、アライグマ一家が現る!」と投稿したところ、「えぇ~ぇ、アライグマが私達の身近にいるんですか?ホントに町中に!!」「これはすごい! 街中とは思えぬ数のアライグマ、食糧は何でしょうね?」(以上、原文ママ)などのコメントが寄せられた。
環境省によると、アライグマは各地で自然繁殖が確認され、農業被害や生活環境被害、生態系被害などの問題を引き起こしていることから、2005(平成17)年に「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」を施行して特定外来生物に指定。佐賀市でも「アライグマ防除実施計画」を策定している。県内でも森林の渓流沿いや休耕田、ため池近くでよく確認されるが、市街地での確認はまれという。
秋山さんは「(アライグマは)在来生物の生存を脅かしかねない緊急対策が必要な侵略的外来種だと思われる。アニメの影響による一時的なブームと軽はずみともいえる人の行いで数が増えてしまい、今となっては対策や駆除の対象になってしまった。やるせなさを感じる。せめてこの一家が元のいるべき世界に戻れたら」と話していた。