「佐賀市漁村女性の会」(佐賀市東与賀町田中)が「佐賀海苔(のり)」をスナック菓子風に仕上げた新商品「SAGA PARI NORI(さが・ぱり・のり)」の販売を始めて3カ月がたった。
「SAGA PARI NORI」に改良する前の「サクッ!とのり」
代表の古川由紀子さんは、同会設立前まで「西与賀漁業協同組合」(当時、現=佐賀県有明海漁業協同組合)の信用事業を担当していた職員。組合女性部が2001(平成13)年、加工事業部を結成して商品化した一番摘み佐賀海苔のつくだ煮と紀州梅を組み合わせた「うまかのり梅(ばい)」は、2004(平成16)年の全国漁業協同組合連合会主催「シーフード料理コンクール」(水産物加工品の部)で最優秀賞に当たる「農林水産大臣賞」を受賞したが、ボランティアによる運営の事業部ではノリ栽培の最盛期に活動できなくなるなど、事業を軌道に乗せることが難しかったことから、古川さんは組合を退職。2008(平成10)年、「佐賀海苔」の加工に専念する同会を設立し、「うまかのり梅」の生産を引き継いだ。加工工程などを見直し、効率化を進め、勉強会などにも積極的に参加、技術やノウハウ、人脈などを養っていった。
今回販売する「SAGA PARI NORI」は、2018(平成30)年に発売した「サクッ!とのり」の改良版。これまでは「うまかのり梅」など佃煮のみのラインアップだったが、「生産日本一に加え、消費も日本一を目指す商品を」(古川さん)と、おやつ感覚で食べられる商品としてスナック菓子を開発した。JF佐賀有明海直販所「まえうみ」(光2)などでの販売は好調だったが、袋詰めパッケージでの販路拡大には中身が割れやすくなるなど限界があったため、「さが県産品流通デザイン公社」(城内1)が新商品開発から販売と情報発信を支援する「新商品開発ブラッシュアップ事業」のサポートも受け、商品改良。「外国の人にも食べてもらいたい」(古川さん)と、商品名は新たに「SAGA PARI NORI」と付け、3月から販売を始めた。価格は17グラム=648円。
古川さんは「都内での販売イベントでも好評いただいた。今後、『SAGA PARI NORI』を首都圏向けに展開していき、ゆくゆくは海外での展開を見据えたい」と話す。