「西陣美術織 若冲 動植綵絵(さいえ)展」が1月13日、佐賀県立美術館(佐賀市城内1)2階・画廊で始まった。
京都の伝統工芸織物が1467年の「応仁の乱」後に、西軍の本陣跡地で再開したことを名の由来とする織物「京都・西陣織」。和装の高級帯として知られているが、魅力を広め、伝統技術の継承と後継者の育成につなげようと、「西陣美術織工房」(京都市上京区)が仏像や絵画、風景などを織物で表現する工芸分野「西陣美術織」を開発。2016(平成28)年からは、江戸中期に京都で活躍した絵師・伊藤若冲の絵画を「西陣美術織」での表現に挑戦。これまでに全国約100カ所で巡回展を開催しているという。佐賀県内では2019年の唐津、昨年の鳥栖開催に続く3回目の開催。
展示では、細さが髪の毛ほどの絹糸13~15色をタテ糸2700本、ヨコ糸1万5000本を使い、伝統的な裏彩色技法を使い、綿密や写生に基づきながら写実と創造を融合させ、若冲が描いたさまざまな動植物の色や形を絹織物に表現した「動植綵絵」など40点を含む合計60点の掛け軸、額、帯を展示する。
同工房常務取締役の吉田秀高さんは「若冲の美術織を通じて西陣織を全国の方に知ってもらい、伝統の継承につなげていきたいと考えているので、佐賀の方にもぜひ見に来てほしい。緻密な立体美は、会場に用意したルーペで見ることができるので、技術の高さも確かめてもらいたい」と話す。
開催時間は10時~17時(最終日は16時まで)。1月17日まで。問い合わせは同実行委員会(TEL 075-548-7505)。