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佐賀県立美術館で「超写実展」 日本とスペインの美術館所蔵写実絵画を展示

小木曽誠さん作「森へ還る」

小木曽誠さん作「森へ還る」

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 日本とスペインの美術館が所蔵する写実絵画を展示する企画展「超写実展」が現在、佐賀県立美術館(佐賀市城内1)で開かれている。

「超写実展」展示室に併設された物販コーナー

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 サガテレビ(城内1)の開局50周年記念事業として、2017(平成29)年に開催した写実絵画専門の「ホキ美術館」(千葉市緑区)の所蔵作品を展示した「ホキ美術館名品展」に続く企画展。今回はスペイン・バルセロナにある写実絵画と彫刻に特化した「ヨーロッパ近代美術館(MEAM)」の作品との同時展示を企画した。

 ホキ美術館からは佐賀県を拠点に制作活動を行う佐賀大学芸術地域デザイン学部准教授の小木曽(おぎそ)誠さんら29人の画家による54作品、ヨーロッパ近代美術館からは59作品、計113作品を展示する。小木曽さんは「同じ写実絵画でも、スペインでは人間を主体に描き人間に深く入り込む一方、日本では人間とそれを取り巻く風景とのコントラストを強調する傾向がある。この場所で両国の国民性と芸術観の違いを垣間見ることができる」と話す。

 小木曽さんが2017(平成29)年に発表した作品「森へ還(かえ)る」は、佐賀市富士町の国指定天然記念物「下合瀬(しもおおせ)の大カツラ」をバックにたたずむ2人の女性を描いたもの。若く自信にあふれている女性が自然を前にすると無力になる姿を表現したという。「日本人画家の作品には女性を題材にしたものが多いが、表情やしぐさの描写には個性が現れる。同じ画家でも年代によって女性の描き方が異なることがあり、作風が変化するのが面白い」と小木曽さん。

 サガテレビ事業企画部の池本健人さんは「県外から足を運んだ美術ファンも多く、写実絵画への関心の高さを感じる。『近くで見ると確かに油絵だが離れて眺めると写真にしか見えない』といった驚きの声もあった」と話す。

 小木曽さんは「世界がますますデジタル化しても、人間の手により緻密に作り上げられたアナログな芸術作品は人々をこれからも魅了し続ける。よりすぐられた写実絵画の数々に出合ってほしい」と呼び掛ける。

 開館時間は9時30分~18時。入場料は、一般=前売り1,100円、当日1,300円、中・高校生=前売り600円、当日=800円、小学生以下無料。11月10日まで。

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