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佐賀出身の書家・アーティストの小林勇輝さんが個展 作品集発売の記念に

小林勇輝さんと「毎日賞」受賞作品「風神」(左)、「旋風」(右)

小林勇輝さんと「毎日賞」受賞作品「風神」(左)、「旋風」(右)

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 佐賀市出身、愛知県瀬戸市在住の書家・現代アーティスト、小林勇輝さんの個展「言葉の結晶展」が8月27日、「高伝寺前村岡屋ギャラリー」(佐賀市本庄町本庄)で始まった。

作品「千ノイノリ」と、同作がプリントされたカップとソーサー

 幼少時から書道を学んでいた小林さんは、高校時代に人気ロックバンド「ザ・ブルーハーツ」の歌詞に影響を受けたのをきっかけに、自作の詩を書で表現する創作活動を始めた。2005(平成17)年に、墨でしたためたある詩が偶然「翼」の形に見えたことで「文字の並びで絵を形作る」という独自の作風に目覚めてから活動の幅が広がり、「伊勢現代美術館」(三重県度会郡南伊勢町)など国内各地で個展を開いたほか、ニューヨーク、パリなど海外でも作品を展示してきた。

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 地元で3回目の個展となる今回のテーマは「いのち」で、これまでの作品を収録した作品集「いのちなみうち」が9月から全国の書店で発売されることを記念して開催する。

 ギャラリー内には、試作段階の作品や失敗作などを破った100枚に及ぶ「書道紙の紙片」が所狭しと散らばっている。小林さんは「紙片は『エネルギーの結晶』を表し、エネルギーが凝縮して生命が生まれる過程を、会場全体を使って表現した。捨てられるはずの紙片が別の役割を与えられ生まれ変わるという『いのちの循環』も具現化した」と話す。中央には、「DNAの二重らせん状構造をイメージ」(小林さん)し、紙片を天井まで積み上げた。後方には、毎日新聞社主催の公募展「毎日書道展」で、「近代詩」部門の最優秀に当たる「毎日賞」を2年連続受賞した作品「旋風」(2017年)、「風神」(2018年)など、代表作品が並んでいる。

 平和への思いを込めた詩で折り鶴を形作った作品「千ノイノリ」は、2016年の伊勢志摩サミットで安倍昭恵総理大臣夫人主催の昼食会で使われたカップとソーサーのデザインに採用された。最新作の「大いなる愚者」は佐賀県の県木「クス」を描いたもの。8月14日に佐賀市歴史民俗館「浪漫(ろまん)座」(柳町2)で行われたアートライブで、ギター演奏をバックに観客の前で制作した。

 小林さんは「詩と書と画が三位一体となった作品を描き、『書の可能性』を追求してきた。言葉たちが放つ躍動感を間近で味わいながら、『生きる力』を感じてもらえれば」と話す。

 開館時間は10時~18時(最終日は17時まで)。入場無料。9月1日まで。

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