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佐賀市在住のウェブデザイナーが自主製作本 呉服元町商店街の魅力を2年かけ取材

「呉服元町商店街」製作者の東成実さん

「呉服元町商店街」製作者の東成実さん

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 佐賀市在住のウェブデザイナー・東成実さんが8月9日、2年の取材を経て完成させた自主製作本「呉服元町商店街」の販売を始めた。

写真集「呉服元町商店街」

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 伊万里市出身で、幼少期から古い建物を見たり絵に描いたりしていたという東さん。就職を機に佐賀市に移り住み、初めて訪れた市中心街・呉服元町の「中央マーケット」に魅了されたという。東さんによると、「中央マーケット」は佐賀市4大マーケットの一つで、戦後に作られた同市最後のバラック商店街。平成28年、同じく4大マーケットの一つ「寿通り商店街」が取り壊されたことをきっかけに、「中央マーケットの今の姿を残さなくては」と危機感を覚えた東さんは平成29年9月、休日を利用して、家にあったフィルムカメラを手に「中央マーケット」の取材を始めた。

 「まずはお店の輪の中に入れてもらえることから始めた」という東さん。常連客の通う時間帯に合わせてお店を訪ね、気難しい店主の店には心を開いてもらうまで何度も通った。2年間の取材の中で、撮影した写真は1000枚に上る。東さんは「本の完成が見えてきた頃のメディアの取材で、ある店主が『今年は東さんの本が出るから頑張れる』と話していたと聞いた。私の本がお店の人のモチベーションになっていることがうれしかった」と話す。

 本は、A5サイズ82ページ。呉服元町の戦後から現在までの歴史、商店街店主が店を始めたきっかけ、常連客とのエピソードなどが、フィルム写真と線画と共に構成されている。佐賀大学大学院で日本画を学んだ中村美和子さんが挿絵を担当。店に通い、店主や店の気になる部分をその場で描いたという。

 東さんは「呉服元町の何気ない日常の中の魅力が詰まった本ができた。読んだ人が、自分の日常に目を向けるきっかけになれば」と話す。

 価格は1,500円(税別)。呉服元町の店舗、インターネットで販売する。9月1日16時から、東さん、中村さん、編集を手掛けた野村レオさんによるトークイベントを「願正寺」(呉服元町)で行う。本誌未収録の東さんの写真や中村さんの絵も展示する。参加無料。

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