佐賀市内でミニシアター「シエマ」の運営と映像制作を手掛ける「69ners FILM」(佐賀市松原2)が、香港で放送する佐賀の生活文化を物語仕立てで発信する旅番組「佐賀 東遊記 Journey-to-the-East」の第3弾の制作を決めた。
佐賀の生活文化を物語仕立てで発信する旅番組「東遊記」佐賀県内での撮影の様子
2007年からカフェとイベントスペースを併設したミニシアター「シエマ」を運営する同社社長の芳賀英行さんは映像制作に力を入れており、佐賀に伝わるかっぱ伝説を妖怪のフィギュアを使い、2011年に制作したアニメーション「河童五代目」は、国内外の映画祭で話題になり、テレビでも放送された。
香港とのつながりは2014年3月に香港で開催された国際的な映画・映像の見本市「香港フィルマート」に「佐賀の映像版フリーペーパー」というテーマで制作し出品した「Sclip」が、香港でタレント活動などを行い活躍する和泉素行さんの目に留まったことから。同年8月に香港のケーブルテレビでの同作品を放送したのを機に香港向けの佐賀の旅番組を制作することになった。
佐賀・多久市の「Granma Music Entertainment」の加藤大樹さんと大谷洋介さんが番組制作に協力、佐賀県や佐賀市、嬉野市などの行政と県内の企業などの支援を得て、昨年3月に第1弾として第1話・2話が、9月に第2弾となる第3話・4話が香港のケーブルテレビ局「i-Cable」で放送された。これらの番組が現地で好評だったことと、現地での情報発信を目指すための体制にめどがついたため制作を決めたという。4月から撮影に入り、3~5分程度の番組を5本ほど制作予定とのこと。
芳賀さんは「香港で佐賀の生活文化を発信するため、映像制作だけでなく和泉さんと一緒に現地でのイベントも企画運営してきた。今後も番組制作を通じて、佐賀の文化が多くの現地の方に伝わり、商品の流通などの展開に広げたい」と話す。