菓子店「村岡屋」(佐賀市鍋島町森田)が9月20日、看板商品「さが錦」の端材を使った新商品「おやつにしき」の販売を始めた。
「さが錦」は、小豆や栗を懐に抱くたたずまいから「浮島」と呼ばれる柔らかい生地に山芋を練り込み焼き上げた物をバウムクーヘンで挟んだ商品で、1971(昭和46)年に販売を始め、今年で50周年となる。これまでも、カット方法を工夫する取り組みや、端材を使った「お得用パック」の販売など、フードロスを減らす取り組みをしてきたが、比較的見た目の良い物だけを商品にしており、「端の端」に当たる部分は廃棄していたという。
「大切な商品なので、材料を無駄にせずに生かしたい」と今回、約1年かけて商品開発。端材をブロックカットし、オレンジ風味のフレーバーを加え、「さが錦」とは違う新たな食感の焼き菓子に仕上げた。
端材を使って製造する商品のため、各店舗10本程度の販売としていることから、毎日開店後まもなく予定数が売り切れ、販売についての問い合わせも多いことから、現在、「1家族1本」の販売に限定するなどの対応をしているという。
営業部の山口祐司さんは「工場からの提案がきっかけだったが、『さが錦』のブランドイメージの観点から、社内でもさまざまな意見があった。販売を始めて、商品の評価も高いことから考え方が変わった。製造や販売の過程でのロスを減らしていくための取り組みをこれからも考えていきたい」と話す。
価格は1本(7切れ)=300円。