佐賀未来創造基金(佐賀市唐人2)が6月26日、佐賀県警高齢者のニセ電話詐欺撲滅を目指す事業に対する助成公募を始めた。
佐賀県出身シンガーソングライター・カノエラナさんが制作した高齢者ニセ電話詐欺撲滅テーマソング「にゃんこパトロール♪」
2013(平成25)年に設立した同財団は、市民や企業から寄付を集め、市民活動団体やNPOなどの市民社会組織に助成し、地域や社会の課題解決や活性化に取り組んでおり、全国の地方新聞46紙と共同通信社が主催する「地域再生大賞」で2020年度に大賞を受賞した。
今回、助成公募を始めることになったきっかけは同財団の山田健一郎理事長が佐賀県警の関係者からニセ電話詐欺撲滅を市民協働で取り組みたいと相談を受けたことから。佐賀県によると、県の刑法犯認知件数は2003(平成15)年から右肩下がりで減少している一方、ニセ電話詐欺被害は、2012(平成24)年から6年連続で1億円以上の被害があり、2018(平成30)年には約3,500万円まで減少したが、翌年には再び上昇に転じ、約1億円の被害があった。被害件数の半数以上、被害額の8割にあたる8,000万円以上が高齢者で、被害を減らすために、警察や行政だけではなく、一人一人が「高齢者をニセ電話詐欺から守る」という気運を高めることが大事と考えたという。
同財団と佐賀県警、佐賀県が連携し昨年12月、自治体を支援するクラウドファンディングを通じて支援を募集、今年3月までに337万円の寄付を集めた。取り組みの一つとして、佐賀県出身シンガーソングライター・カノエラナさんがテーマソング「にゃんこパトロール♪」を制作、6月18日に公開した。
今回の助成公募では、高齢者ニセ電話詐欺被害防止などに関わる活動について、選考を経て最大50万円を助成する。また、アイデアコンテストを実施し、最優秀賞には賞金3万円を授与する。
山田理事長は「警察関係者の一人から相談を受けたことで、市民と共に高齢者ニセ電話詐欺被害防止に向けた取り組みへの入り口を作れた。多くの市民に取り組みへの参加やアイデアを提供してもらい、その活動費用に当たる部分をサポートできればと考えている」と話す。
応募は8月31日まで。