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佐賀・中心街のしょうゆ店が改装 昭和初期の洋館風建築に新たな客集う

改装した「佐星醤油」店舗を案内する同社の吉村篤さん

改装した「佐星醤油」店舗を案内する同社の吉村篤さん

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 佐賀市中央大通りの「佐星醤油(しょうゆ)」(佐賀市唐人1)が3月、本社事務所として使う洋館風建築を改装し、まち歩きの客で新たなにぎわいを生んでいる。

スポット照明と天井明かり取り窓のステンドグラスを改め、明るくなった同社店内

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 1897(明治30)年、前身の「佐賀醤油會社(がいしゃ)」の設立時からしょうゆ醸造の歴史を持つ同社。明治後期から大正には質店や商社も立ち上げ、生命保険の代理店、調味料や感光紙の九州総代理店を営んでいたという。現在は濃いうま味が特徴の「かつおだし醤油」を看板商品に、業務用中心のしょうゆ作りを続けている。

 1931(昭和6)年に建てた同社本社建物は、アールデコ様式を思い起こさせる大きなガラス窓建具や庇持送り(ひさしもちおくり)の装飾に瓦屋根を持つ洋館風建築が評価され、2005年に「佐賀市都市景観賞」を受賞。佐賀市中央大通りのランドマークの一つとなっている。

 通りを歩く人が緩やかに増える中、この建物に気軽に立ち寄ってもらえるようにしたいと、2月中旬から約1カ月かけて店内を改装。壁面を塗り直し、スポット照明と天井の明かり窓に新しいステンドガラスを取り付け、店を明るくした。さらに、店の歴史を伝えるパネルや、改装に併せて整理した倉庫から出てきた100年前の社員が使っていた「はんてん」などを展示。佐賀の産業の歴史を伝える場所の一つとして生まれ変わらせた。

 同社営業課の吉村篤さんは「改装で店が明るくなったことから店に立ち寄る客が増えた。特にアジアからの観光客が展示品などを興味深く見ているので、少しずつ外国語対応も進めたい。これからも唐人町のにぎわいに貢献したい」と話す。

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