佐賀市川副町特産のブランドトマト「光樹(こうじゅ)とまと」を使った料理を提供する「光樹とまとフェスタ」が4月15日、国内とフランス・パリを含む18店の飲食店で一斉に開催された。
「光樹とまと」は、サカタのタネ(横浜市都筑区)が開発した「サンロード」品種を基に、JAさが川副町とまと部会(現・光樹とまと部会)が1998年、栽培法を確立した。
初出荷当時、味の評価は高かったものの形が不ぞろいだったため流通に苦労したが、東京神田青果市場(東京都大田区)が「甘みと酸味のバランスがよい」と評価したことから、現在では同市場を中心に各地へ流通するようになった。生産農家12軒14人で構成する同部会では現在、厳しい選果基準を設け、1月から6月にかけて出荷している。
同フェスタは、2011年11月に佐賀市が国内外の流通関係者を招いて開いた「商談・アドバイス会」を通じて、同部会を訪れた著名やシェフやパティシエらが同トマトを評価したことがきっかけ。2012年4月に佐賀市のサポートで、同フェスタの前身となる「光樹とまとフェア」を開催した。
同フェアでは、「RISTORANTE YAGI」(東京都港区)の八木康介シェフが「料理人が触るものではない。そのままが一番おいしい。それくらいこのトマトにパワーがある」と評価。これを受け翌年、「フェア」を「フェスタ」とあらため、部会メンバーらが苦心の末、協力店を開拓して第1回開催にこぎ着けた。
4回目となる今年は、初参加店の「宮島Bocca al-che-cciano」(広島県廿日市市)をはじめ、18店に「光樹とまと」が届けられ、各店のシェフが料理の腕を振るった。
イタリアンレストラン「アクア パッツア」(東京都渋谷区)では、「光樹とまとのシンプルサラダ 光樹とまとのジュレをのせて モッツァレッラチーズ添え」を提供。同店の日高シェフは「フルーツではなく野菜として甘すぎず酸味と歯ごたえがあるこのトマトの素材の良さを感じる。この時期に出てくる光樹とまとが楽しみ」と話す。
同部会会長の古賀信一郎さんは「フェスタに協力いただく各地のシェフは、まだお会いしたことのない方が多いが、トマトを通じて声を掛けてもらい、最高のトマトを作る励みにつながっていることを大変ありがたく思う。今後もシェフとのつながりを大切にしたい」と意欲を見せる。