佐賀県立図書館は、所蔵する資料などを掲載するデータベースを3月25日にリニューアルし、同館が原本を所有する2万8000点以上の歴史資料画像を、使用許諾が不要となる「パブリックドメイン」として公開した。
佐賀県立図書館データベースで公開した「佐賀名所絵はがき 佐賀 旧城門」
資料課長の本多美穂さんによると、同館では2011年からインターネットを通じて郷土に関する調べものができるようにと「デジタルライブラリー」を公開してきたが、サーバーも古くなり、ネットを取り巻く環境が変化したことから今回、新たなシステムへの更新を決め、図書館事業やオープンデータに詳しい「アカデミック・リソースガイド」の岡本真社長にアドバイスを受け、歴史資料画像コンテンツの取り扱いを改めたという。
リニューアルした「デジタルライブラリー」では、これまで使用許諾を求めていたコンテンツのうち、特許権や著作権が消滅、放棄された状態の2万8000点以上のものを、「全国の都道府県立図書館では初めての試み」(本多さん)という、許諾不要とする「パブリックドメイン」として公開を始めた。資料公開も国際的なデジタルアーカイブ企画「IIIF(トリプルアイエフ)」に対応し、高精細画像の資料をタブレットやスマートフォンからも閲覧できるようになったほか、資料のカテゴリーをまたいだ横断検索もできるようになったという。
本多さんは「これまでは利用申請あった資料に電子透かしを入れて提供していたが、『パブリックドメイン』に当たる資料を、例えば、古地図の画像を包み紙やTシャツへの使用など自由に活用してもらえる。今回のリニューアルが新たな活用事例や研究成果の報告として戻ってくるとうれしい。私たちの想定を超える使い方など今後の展開が楽しみ」と期待を寄せる。