佐賀市の「産前産後ケアroom(ルーム)」(水ケ江2)が6月22日、オープン1周年を迎える。
女性支援団体「poco a bocco(ポコ・ア・ボッコ)」代表の寺野幸子さんが昨年6月22日、妊娠期から産後期の女性を対象としたサービス提供の目的で助産師の秀坂あいさんに協力を依頼し開設した同施設。寺野さんは「慣れない新生児育児や社会から遠ざかっているような孤独感で心身の負担が大きくなりやすい、出産直後の『空白の2カ月』といわれる期間を埋められる『よりどころ』が必要だと思った」と振り返る。
メニューは、助産師によるケアを受けたりゆっくり食事や昼寝したりと自由に過ごし心身の回復を図る「産後デイサービス」(10時~16時=9,000円、食事代込み)、助産師が乳房マッサージや授乳相談対応する「母乳・育児相談」(1回50分=4,500円)、助産師が妊娠中の不安についての相談対応や出産準備指導などを行う「マタニティ出産準備アドバイス」(1回50分=4,500円)など(以上、事前予約制)。「楽で楽しい育児のコツを学ぶ」をテーマに「体験型離乳食講座」「ベビーマッサージ」などをそろえる講座シリーズ「お気楽♪育児“だいじょう部”」も展開する。
産前産後に限らず全ての女性が利用できるメニュー「フェイシャルエステ」(3,980円~)、「ボディートリートメント」(50分=2,980円)、「リンパドレナージュ」(60分=4,000円~)も行う。施術を受ける人の子どもを対象とした無料託児サービス(月曜・木曜)も用意する(以上、事前予約制)。妊娠中や子育て中の女性が飲食物を持ち込んで過ごせる予約不要の「ラウンジ」(1回=700円)は、各メニューを利用した人がその前後に無料で滞在できる。「古い民家を改装した建物だからか、『おばあちゃんの家にいるみたい』とくつろいでいってくれる人も多い」と寺野さん。
6月25日11時から1周年記念イベントを開く。同団体のテーマソングを手掛ける佐賀のシンガー・ソングライター吉武愛子さんによるミニライブのほか、絵本の読み聞かせ、そうめんの振る舞い、「手形足形アート」のワークショップ(1人=500円)を予定する。
寺野さんは「スタッフの熱心な呼び掛けや口コミなどで少しずつ利用者が増えた。今後も産前産後期の心身の負担を少しでも和らげたり、苦しさや悩みを吐き出せる友だちを作ったりする場として活用してほしい。まだ当施設を知らない女性、特に若い世代に情報を届け、『妊娠したらケアルームに行ける』と楽しみにしてもらえるような存在になれたら」と話す。