佐賀市の大隈重信記念館(佐賀市水ケ江2)で現在、特別企画展「手紙―書翰(しょかん)が伝える偉人たちの絆―」が開催されている。
大隈に宛てられた書簡や、当時の様子を示す錦絵など、展示内容の一部
3月17日から開催している「肥前さが幕末維新博覧会」に関連して、「佐賀の七賢人」と呼ばれる人物たちと大隈の「一人の人間としての素顔」を、大隈に宛てられた手紙を通じて知ってほしいと企画した同展。同館学芸員の大坪由季さんは「維新博で『偉人』としての業績に注目が集まる中、幕末の時代を生きた『一人の人間』としての大隈やその周辺の人物についても目を向けられるものが見たいという依頼を受け、開催に踏み切った」と話す。
同展では鍋島直正の側近が大隈重信に「直正公が牛肉を食べたいそうなので、料理人と牛肉を用意してほしい」と依頼する手紙、副島種臣からの鍋島直正の死去を伝える手紙を紹介。実際に大隈に送られた書簡の複製のほか、当時の様子を示す錦絵など、江藤新平とその息子、佐野常民との手紙にまつわる展示も。展示を見た来場者からは「手紙の内容解説に加え、資料も展示されていてイメージしやすかった」と評判はいいという。
大坪さんは「幕末という時代背景や人物へのイメージから一見難しそうに思われがちな彼らの手紙だが、その中には『政治家』や歴史上の人物として見ていた大隈らのプライベートな一面も見えて面白い。解説パネルや展示資料を通して、彼らの『一人の人間』としての素顔に触れ、身近に感じてもらえれば」と話す。
開館時間は9時~17時(入館は16時30分まで)。入館料は300円。高校生以下無料。7月1日まで。