「グランデはがくれ」(佐賀市天神2)で2月19日、佐賀市地域づくり交流会「出会いがツナグ ~みんながツムグ未来~」が開催された。主催は佐賀市。
これまで行政と地域の支え合いで解決してきた公共サービス。同市協働推進課によると、少子高齢化や核家族化などで、子育てや高齢者生活支援など新たな課題が出てきたほか、課題がより細かくなっていることから、地域住民に自主性を促して課題に取り組み、行政がそれらをサポートしていくという新たなまちづくりの形をつくろうと、佐賀市内32の自治会校区の実態に応じて2011年から順次「まちづくり協議会」をつくる取り組みを行っている。2014年には「佐賀市まちづくり自治基本条例」を施行し、現在27校区が各協議会の課題に応じた部会を設け、交流や子育て、見守り活動などを続けている。
今回の交流会では、「まちづくり協議会」とCSR活動に取り組む企業や学校、市民活動団体の意見を交わす場をつくり、連携のきっかけにしようと主体性を高める話し合いの形式として「ワールドカフェ」を企画した。コーディネーターは、企業、大学、行政、NPOの4つのセクターの経験から産学官民連携ファシリテーションを行っている九州大学大学院総合新領域学府客員准教授の加留部貴之さんが務め、各校区のまちづくり協議会や企業、団体から約140人が参加、「まちづくりの処方箋」をテーマに意見交換を行った。
まちづくり協議会、企業、団体が交流できるよう4~5人ずつ分かれて始まった今回のワールドカフェ。「5年後の私たちはどのような暮らしをしているか」という話題の意見交換に始まり、参加者が興味ある話題について話をするための席替えを経て、参加者は最後に「まちづくりで踏み出したい一歩」という議題で意見を交わした。
協働推進課副課長の北御門智子さんは「まちづくり活動の事例発表やパネル展からさらに一歩踏み込んだ交流の場をつくりたいと、職員研修でも好評だった加留部さん進行によるワールドカフェを行った。各地域の『地の人』、企業や団体など『風の人』が交わり、地域の自主的な発展をアシストしたい。この会で出た多くの意見を拾い上げて参加者にフィードバックし、まちづくりの現場で活用していきたい」と話す。