学ぶ・知る

佐賀・大隈重信記念館で特別展 「佐賀や長崎での活躍」展示メインに

展示の前で笑顔を見せる学芸員の大坪由季さん

展示の前で笑顔を見せる学芸員の大坪由季さん

  • 29

  •  

 大隈重信記念館(佐賀市水ケ江2-11)で現在、企画展「幕末維新期の大隈重信―佐賀から長崎、そして明治政府へ―」が開催されている。

明治政府から大隈重信へ送られた辞令など、展示品の一部

[広告]

 江戸末期から明治にかけて活躍した「佐賀の七賢人」の一人で、内閣総理大臣などを務めた大隈重信が、佐賀や長崎で過ごした青年期にクローズアップした同展。

 同館学芸員の大坪由季さんは「内閣総理大臣を務めたことや早稲田大学の創設など大隈の晩年や功績は知られているのに、若いころについて知らないという人が多い。3月17日に『肥前さが幕末維新博覧会』も始まることから、若い頃の大隈がどのようにして幕末から明治にかけて活躍したか、そのプロセスを改めて紹介したいと企画した」と話す。

 同展では大隈が長崎で遊学した20代後半から、長崎で外交の役職を務め、日本初の鉄道敷設に携わった30代までを取り上げる。当時の大隈の姿を映した絵はがきや明治政府から大隈宛てに送られた役職任命の辞令、明治初期にかけて活躍した人物を描いた絵画「開明貴族表」のほか、大隈が大政奉還の実現に向けて脱藩し江戸に向かうまでの航海ルートや当時の長崎の様子などを示したパネルを展示する。

 「大隈は自分では文字を書かず代筆させていたこともあり、直筆の資料がない。その中で何を展示するか決めるのはとても大変だった」と大坪さん。2月24日、3月17日は展示できなかった物をメインにしたギャラリートークを開く。

 大坪さんは「自分自身も最近まで佐賀藩の歴史を詳しく知らなかったからこそ、来場者に近い目線で展示構成を考えることができた。展示は専門的な話を極力省き、地図など視覚的に分かりやすいものを使って、幕末から明治の歴史に詳しくない人も楽しく学べるようにした。今回の企画展をきっかけにもっと大隈に興味を持ってもらえれば」と話す。

 開館時間は9時~17時(入場は16時30分まで)。入館料は、大人=300円、子ども=150円。3月21日まで。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース