佐賀市立図書館(佐賀市天神3)で2月9日、企画展「島義勇(よしたけ)と札幌展『北海道開拓の父』と呼ばれた男」が始まる。
江戸末期から明治にかけて活躍した佐賀藩出身の7人、鍋島直正、佐野常民、島義勇、副島種臣、大木喬任、江藤新平、大隈重信を「佐賀の七賢人」という。その1人で北海道の開拓を行った島義勇の活躍を紹介するイベント。
同館スタッフの横多綾さんが全国の図書館職員の交流会に参加した際、札幌では島義勇のことを開拓の中心を担った「開拓判官」にちなんで「判官さま」と呼ばれていることを聞いたという。島義勇が佐賀から遠く離れた札幌で親しまれていることに驚いた横多さんが「もっと佐賀の人にも島義勇を身近に感じてもらう機会を作りたい」と今回の展示を企画した。
「島義勇の生い立ち」「札幌の街づくり」など島義勇の生涯を6パートに分けて展示を行う。同展の目玉は、縦13センチ、横4.5メートルの佐賀市重要文化財「島義勇の旅日記」の実物。島が札幌に降り立ってからの記録をつづり自身で挿絵も施したという「入北記」の解説パネルのほか、開拓への情熱や家族への思いをつづった漢詩、島が北海道の大陸を歩いて回ったルート紹介地図なども並ぶ。
横多さんは「単に偉人の一人としてだけでなく、幕末の時代に北海道で開拓に燃えた『等身大の熱い男』としての島義勇も感じられる展示になっており、これまで彼を知らなかった人でも親しみやすく勉強できると思う。ぜひ足を運んでほしい」と呼び掛ける。
開催時間は10時~19時(日曜・祝日は17時まで)。月曜休館。入場無料。3月11日まで。