NBCラジオが2月5日から、佐賀県内でのAM放送を休止する。
「NBCラジオ」JAさが駅前スタジオ前に掲示するAM放送休止の案内
NBCラジオは、1953(昭和28)年に「ラジオ長崎」として開局。翌1954(昭和29)年に「ラジオ佐世保」と合併し、「長崎放送(NBC)」に社名変更。1958(昭和33)年に佐賀県内をカバーする中継局として、「NBCラジオ佐賀」を開局した。2017(平成29)年2月、これまでのAM放送に加え、FM補完放送「ワイドFM」での本放送を始め、2020年6月にNBCラジオ佐賀が「コムボックス佐賀駅前」1階に移転、2021年10月に、ラジオ放送のサイマル配信サービス「radiko(ラジコ)」の佐賀県内での対応を完了した。
今回のAM放送の休止は、昨年11月の地上基幹放送局の再免許申請に合わせて、総務省が実施する「民間ラジオ放送事業者のAM放送をFM放送への転換などに関する実証実験」にNBCラジオ含む全国13社が参加するもの。設備の維持更新コストの軽減や、聴取対策と災害対策を目的としたFM放送への転換を目指す。
休止周波数は、佐賀・唐津・有田局の1458キロヘルツと伊万里局の1116キロヘルツ。休止予定は来年1月31日までだが、延長の可能性もあるという。放送は、ワイドFM(佐賀=93.5メガヘルツ、鳥栖=92.1メガヘルツ)で聴取できるが、90メガヘルツ以上の周波数が聴取できる「ワイドFM対応」ラジオが必要。また、「ラジコ」のほか、県内のケーブルテレビ事業者「佐賀シティビジョン」「ぴーぷる」「伊万里ケーブルテレビジョン」でもラジオ放送の再送信を行なっている。
NBCラジオ含む全国の民放AMラジオ47局で構成する「ワイドFM対応端末普及を目指す連絡会」は2021年に、日本全国の民放AMラジオ47局のうち44局が2028年秋までにFM局になることを目指すと発表しており、ラジオの経営環境変化に応じた設備更新と聴取環境の整備などに対応していく必要があるとしている。