佐賀市清掃工場近くに10月3日、藻類の培養を行う「アルビータ」(佐賀市高木瀬町)が本社工場を開設した。
リサイクル・産廃物処理とビルメンテナンス事業を行う「シンシア」(東京都品川区)と米国で藻類の有効利用を研究、特許を保有する「ヒリエ ディベロップメント」(米国・アリゾナ州ギルバート)が2014年3月に設立した同社。英語で「藻」を意味する「Algae」とイタリア語で「命」「生活」などを意味する「vita」を組み合わせ社名にしたという。
同社は「バイオマス産業都市」に選定された佐賀市と2014年6月「バイオマス資源利活用協定」に調印。同市でのテスト培養を経て、今回、同市清掃工場から排出される廃棄物焼却ガスを分離回収装置で取り出した二酸化炭素(CO2)を使い、微細藻類「ヘマトコッカス」を培養する施設を整備し、同日操業を始めた。
直径数十ミクロン程度といわれる「ヘマトコッカス」は、生育に適さない環境になると藻がストレス状態になり、防御反応として「アスタキサンチン」を合成し、蓄積して緑色から赤色に変化するという。同社はこの性質を利用し、同施設で「アスタキサンチン」を抽出。工場内で機能性食品や化粧品として活用可能な製品を作り、来年春以降の供給を目指すという。
同社総務部の岩田修也さんは「佐賀市とのご縁を頂き、佐賀に移り住んだ。20人ほどの社員のほとんどを地元から採用した。この施設で抽出した製品の供給には安全性の確認などでもう少し時間を頂くが、当社の『国産アスタキサンチン』の活躍の場を広げて、新たな地元雇用創出など佐賀に貢献したい」と話す。