公共交通機関やシェアサイクル、カーシェアなどさまざまな移動手段を組み合わせたマルチモーダルルート検索やデジタルチケットの購入ができるアプリ「my route（マイルート）」が1月11日、佐賀県内で利用可能になった。

「my route」では、徒歩・公共交通機関・サイクルシェア・カーシェア・レンタカーなどを組み合わせた検索結果を提供する

　「my route」はトヨタファイナンシャルサービス（名古屋市西区）が2019年から提供するサービスで、ルート検索機能はナビタイムジャパン（東京都港区）と共同開発。福岡市・北九州市・糸島市（福岡県）、水俣市（熊本県）、横浜市、富山市、宮崎市・日南市（宮崎県）と愛知県で展開してきた。

　佐賀県では、人口減少や新型コロナウイルスの影響による公共交通利用者の減少、マイカーへの過度な依存による公共交通の認知不足などの課題を解決し、よりよい移動環境を作ろうと、昨年12月、佐賀県部交通政策課の肝いりで「さが MaaS 事業実行委員会」を設立。西日本鉄道（西鉄）、JR九州、県内のバス・タクシー会社、トヨタ自動車系列の県内ディーラー・レンタカー会社などが参加している。取り組みの一環として「my route」を導入した。

　「my route」のマルチモーダルルート検索では、中山間地のコミュニティーバスや唐津市の離島航路なども検索でき、デジタル乗車券の購入やタクシーの予約・決済もできる。西鉄路線バスのリアルタイム位置情報や駐車場の満空状況も分かる。アプリと連動し、15分単位で利用できるカーシェアリングサービス「トヨタシェア」のステーションを従来の2カ所に加え、昨年12月、佐賀空港と肥前浜駅に設置した。佐賀駅南口と西口への設置も予定している。今後は、サイクルシェアなどの新たな移動手段の導入にも対応し、バスの遅れ状況が把握できるシステムも整備していくという。

　アプリ内ではデジタルチケットも販売。現在、販売しているチケットは、佐賀駅バスセンター～熊の川・古湯～佐賀市富士支所前を走る昭和バス「古湯線」の24時間乗り放題と登録店舗で使えるクーポンをセットにした「ふるくま1dayぬる湯フリーパス」（大人＝1,600円、子ども＝1,000円）、鹿島・武雄・嬉野エリアの祐徳自動車とJR九州バスの乗り放題と特典クーポンをセットにした「かぶきフリーきっぷ」（大人＝2,000円、子ども＝1,500円）。