小城市内で2月16日、NPO法人に必要な事務手続きについて理解度を問う日本で唯一の「NPO法人事務力検定」が佐賀県で初めて実施された。「NPO法人ようこそ小城」が主催し約20人が受験した。同検定は現在までに27都道府県で開催され700人以上が受験している。地方創生に取り組むNPO事務の習熟度を分かりやすくすることで、同検定は事務の効率化を図る。
講師の岡山NPOセンター・NPO事務支援センター長の加藤彰子さん
今回は佐賀県内で活動するNPOや任意団体を対象に実施し、市民活動担当する自治体職員も参加した。難易度は「入門手続編(初級)」「応用実務編(中級)」の2段階があり、「入門手続編」が行われた。検定に先立ちセミナーも開き、岡山県でNPOに関する相談やNPOについての研修・啓発に取り組む岡山NPOセンター・NPO事務支援センター長の加藤彰子さんが講師を務めた。
セミナーでは、NPO基礎・定款・所轄庁手続き、法務局手続き、雇用と給与計算、会計・決算の4つ基礎知識について講義。会計・決算では、複式簿記を取り入れたNPO新会計基準を学び、NPOの活動を多くの地域の人たちに知ってもらい、より多くの共感と支援を得るためには、統一したルールに基づいた会計管理が重要だと説いた。
加藤さんは「NPOの事務に携わる方は専門家でない場合が多い。そのために書類の不備が多々見受けられる。どのNPOにも共通な事務作業を整備し、検定としてその習熟度を分かりやすくすることにより、NPOの事務能力向上を図る。コスト軽減にもつながる」ことが検定実施の目的だと話す。