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佐賀市が避難所の簡易間仕切り等供給協定 紙管フレーム手掛ける坂茂さん代表NPOと

「ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク」代表理事・坂茂さん(左)、秀島敏行・佐賀市長(右)

「ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク」代表理事・坂茂さん(左)、秀島敏行・佐賀市長(右)

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 佐賀市が8月5日、NPO法人「ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク」(東京都世田谷区)と「災害時における避難所用簡易間仕切りシステム等の供給に関する協定」を締結した。

東日本大震災の避難所に設置された避難所用・紙管間仕切りシステム(提供=ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク)

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 同NPOの代表理事を務め、建築分野の国際的な賞「プリツカー建築賞」を2014(平成26)年に受賞した建築家・坂茂さんは、1995(平成7)年の阪神・淡路大震災後に特殊加工した紙管で仮設住宅や教会集会所の制作を手掛け、2011(平成23)年にニュージーランド・クライストチャーチでの地震で倒壊した大聖堂の仮設教会も紙管で設計した。

 避難所用簡易間仕切りシステムは、大規模災害発生時の避難所生活でのプライバシー確保を目的に紙管をフレームとして使用し、カーテン布を掛けたもので、同NPOが考案。活動に賛同する人からの支援金を元に無償で設置・提供する活動を続け、2011(平成23)年の東日本大震災や2016(平成28)年の熊本地震、2018(平成30)年の西日本豪雨などの避難所にも設置した。近年では、新型コロナウイルス感染症予防として病院の待合室やワクチン接種会場などにも設置している。

 同NPOは、既に国内各地の自治体と災害時協定を締結しており、九州での締結は、福岡県と福岡県うきは市、大分県別府市。佐賀県内では、佐賀市が初めてとなる。今回の協定は、災害時に同NPOから避難所用・紙の間仕切りシステムと、ハニカム製簡易ベッドの提供を受けるもの。間仕切りシステムの設置で、2メートル×2メートルで囲まれる空間ができ、プライバシー確保に加え、飛まつ拡散防止や3密回避にもつながるという。

 佐賀市はパッケージメーカー「サガシキ」(佐賀市高木瀬西6)と8月4日に、避難所での段ボール製パーティションと段ボール製ベッドの供給を受ける協定を締結している。市・危機管理防災課の担当者は「8月11日から佐賀市内などを襲った大雨災害での避難所開設では、備蓄していた避難所用テント等で対応したが、今後の災害においては、被害状況や避難所開設状況に応じて、協定を結ぶ両者からの供給を受け、対応していきたい」と話す。

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