歴史演劇ユニット「幕末・維新 佐賀の八賢人おもてなし隊」の「賢人ジュニア」2期生が3月28日、佐賀城本丸歴史館(佐賀市城内2)で公演を行う。
昨年3月に行った「幕末・維新 佐賀の八賢人おもてなし隊」の「賢人ジュニア」第1期生の公演の様子
同館で2012(平成24)年2月から毎週日曜に1日5回、幕末から明治にかけて活躍した佐賀の偉人にまつわる歴史寸劇を披露している「八賢人おもてなし隊」。代表で大隈重信を演じる青柳達也さんが、佐賀の子どもたちに地元の歴史や文化について演劇を通して知ってもらい、同隊の「未来の担い手」を育成したいと2019年に活動を始めた。
昨年に続き2回目の募集となる今回は、新型コロナウイルス感染症の影響でメンバー選出のオーディションを中止したほか、活動開始が約1カ月遅らせて活動を行った。昨年11月までは、月2回の演劇基礎トレーニングや幕末佐賀藩の偉人に関する勉強と月1回の同館での実地演習、11月以降は、月3回の演目の稽古を行った。昨年9月に開催された同隊の8周年記念公演では、2期生メンバー5人のうち2人が公演に出演するなど、初めての試みも行った。
今回の演目は高校生メンバー2人が出演する「ならば需骨(じゅこつ)よ!」と、小学生メンバー3人が出演する「それはもらえぬ。」の2本。「ならば需骨よ!」は武士の子どもたちが通う学校・弘道館の蘭学寮を舞台に、弘道館を退学させられたばかりの大隈重信が学ぶことの意味を見いだしていく姿を描く。青柳さんによると、第1期生公演で上演した「おないとし」と異なる演目にしたかったことに加え、高校生メンバー2人と作中の江藤・大隈の年齢が近かったため、この演目を選んだという。
「それはもらえぬ。」は幼い江藤新平が主人公。小学生メンバーの出演を生かし、賢人の中でも幼少期から深いつながりがある大木喬任(たかとう)・江藤・大隈の3人を描いた作品にしたいと考え、同隊プロデューサーの桜井篤さんが脚本を書いた。「家庭環境などの逆境のなかでもひたむきに学ぼうとする江藤の姿には、共感する人もいるのでは」と青柳さん。同隊では初めて江藤の幼少期や父親について演じる。
「賢人ジュニア」メンバーで、「それはもらえぬ。」で大木喬任を演じる田西晴仁さんは「本格的な演劇をするのは今回が初めて。今はせりふを覚えてはっきり、感情を込めて言えるように頑張っている。初めての公演を成功させて、達成感を感じたい」と意気込む。
「ならば需骨よ!」で江藤新平を演じる稲富雄仁さんは「ジュニア公演は昨年に続いて2回目。今回演じる江藤は前に前に出るタイプで、自分と共通点が少ない。役が決まったときは驚いたし、円いながら難しく感じる部分もあるが、江藤のいち人間としての魅力を自分の演技で伝えられたら」と笑顔を見せる。
青柳さんは「2演目どちらも楽しんでほしいが、特に『それはもらえぬ。』に注目してほしい。賢人たちの幼少期の物語を上演できるのはジュニア公演ならでは。近代日本の礎を築いた男たちの前日譚として、大河ドラマの序盤の物語を見るような気持ちで楽しんでもらいたい」と呼び掛ける。
公演時間は10時~、11時30分~、13時~、14時30分~、16時~。入場無料。