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【私の「○○愛」vol.3】「演劇家」青柳達也さんの「レゴブロック愛」と「表現」へのこだわり

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演出家として活躍する青柳達也さん(手前中央)

 「子どものころ好きだったものが、その後の自分に大きな影響を与えた」と話すのは、佐賀県内を拠点に活動する「演劇家」の青柳達也さん。市民劇団「多久ミュージカルカンパニー」で脚本・演出を務めるほか、佐賀城本丸歴史館(佐賀市城内2)で毎週日曜に歴史寸劇を行う「幕末・維新 佐賀の八賢人おもてなし隊」にも所属する青柳さん。館内で大隈重信を演じる姿を目にした人も多いだろう。演劇以外にも佐賀県内の大学2校で英語講師を務めるほか、演劇とコミュニケーションに関する研究も行っている。

 青柳さんに、今につながる「愛するモノ」を尋ねると、その答えは「レゴブロック」だった。幼少期にレゴブロックと出会ったことが今の活動に大きく影響を与えているという。今回は青柳達也さんの「レゴブロック愛」に迫ります。


組み立て前のレゴブロック

 青柳さんのレゴブロックに最初に触れたのは小さい頃、家にあったレゴブロックで遊んだことから。組み立てて「何かを表現する」ことに惹かれ、作ったものを親に得意げに見せていたこともあったという。しかし中学に進学し、遊ぶ時間が少なくなると「表現する」ことを覚えたレゴブロックからも遠ざかってしまった。高校時代、一念発起し留学したアメリカで演劇に出会うが、演劇の「表現」とレゴブロックの「表現」が繋がるのは少し先の話になる。

 青柳さんがレゴブロックに「再会」したのはアメリカから日本に帰国し約1年がたった2010年9月、仕事の一環で、集団による問題解決やコミュニケーションを支援する「ファシリテーション」についての研究をしていた時、偶然「レゴシリアスプレイ」という手法を知った。気になって調べると、レゴブロックを容器の中からいくつか選び、選んだレゴブロックを使い、テーマに沿った作品「モチーフ」を作り、完成した「モチーフ」について参加者が話をすることで自己開示を行うという。

 「小さい頃に遊んでいたレゴブロックが、私の全く知らない新しい形で社会の役に立っていると知り、感動した」と「再会」の瞬間を振り返る。その後、「思い立ったが吉日」と2011年1月にデンマークへ渡り、「レゴシリアスプレイ」ファシリテーターの資格を取得した。現在、「演劇家」や大学講師としての活動の傍ら、ファシリテーターの資格を活かし中学校や高校などで「レゴシリアスプレイ」のワークショップも行っている。


「レゴシリアスプレイ」の公開講座で、「理想の街」をテーマにした個人の作品を組み合わせたもの

 青柳さんはレゴブロックの魅力を「小さなブロックでも、組み合わせることで思いや考えを表現できるところ」と話す。「ブロックを組み立て何かを表現できる点が、自分たちが伝えたいメッセージをセリフや立ち回り、表情など様々な要素を組み合わせ表現する演劇とどこか似ているように思える」と話す。日本とアメリカ、幼少期と青春時代、全く違う場所で出会った「好き」が「色々な要素を組み合わせて表現する」という一本の糸で繋がった。そこには何か運命のようなものすら感じさせるという。


レゴブロックを手にする青柳達也さん

 青柳さんは、レゴブロックへの愛を自身の演劇活動や講師活動に生かしていきたいという。「演劇とレゴブロックの二つから感じた『自分を表現することの楽しさ』を伝えられる存在でありたい。今は自分の『キャラ』や『立場』を気にするあまり思いを表に出せない人も増えてきた。そんな人に手を差し伸べたい」と話す。「レゴシリアスプレイ」を英語教育に組み合わせられないか研究を進めているという。「今はまだ検証と考察をくり返している段階。いつか英語教育の新しい手法として打ち出せたら」と青柳さん。

 幼少期にレゴブロックで「表現すること」の楽しさを知ったことが、今を切り拓く鍵になったという青柳さん。「運命の出会い」を糧に前進する彼の姿にこれからも期待したい。

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