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佐賀の日本酒が米国デビュー 大型貯蔵タンク生かし海外での日本酒需要に応える

「YAMATO」を手にする大和酒造の三池益弘さん

「YAMATO」を手にする大和酒造の三池益弘さん

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 「大和酒造」(佐賀市大和町尼寺)が4月末、米国向けに作った日本酒「YAMATO(やまと)」を初出荷する。

「YAMATO」のラベルは米国での流通用に表裏とも全て英語での表記

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 1975(昭和50)年に、佐賀市内の「窓の月酒造」「あかかべ酒造」「森田酒造」「北島酒造」が合併し、佐賀県酒造試験場跡に設立した同社。2013年には市内の「田中酒造」も合併した。大手清酒メーカー向けに原酒を供給をしてきた歴史から構内に大きな醸造用や貯蔵用タンクを数多く持つ。

 2004年頃に起きた焼酎ブームなど、時代の需要の変化に合わせて日本酒作りから転換を図り、現在は「肥前杜氏」を中心に自社ブランドの日本酒、焼酎、リキュールなどを作っている。

 出荷のきっかけは、2013年にユネスコ無形文化遺産に「和食」が登録されたことと、外務省が日本酒を通じた日本文化の発信活動を行っていること。近年、海外での日本酒需要が急速に高まっており、海外のバイヤーも同社を訪れるようになったという。

 今回出荷する酒は、米国向けのオリジナル瓶にラベルを貼り、純米酒と純米吟醸(720ミリリットル)を計1万本造った。佐賀からロサンゼルスへ送り、ここから現地の佐賀県人会や商社などの協力を得て、ニューヨークなど全米の日本食レストランなどに流通を広げる予定という。

 同社営業本部の三池益弘部長は「海外輸出の取り組みは以前から行っていたが、ここ数年の海外需要に当社の大きなタンクを生かすことができた。これからも地元に愛される酒蔵でありながら、佐賀県内の酒蔵と一緒に海外市場の開拓に積極的に取り組んでいきたい」と意欲を見せる。

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