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佐賀県産木材を活用した「木質化」で地元愛あふれる癒しの場、地域活性化を

提供:佐賀県林業課 制作:佐賀経済新聞編集部

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 佐賀県産木材の利用拡大のため、さまざまな施策を展開する佐賀県林業課。その内のひとつである「さがの木の住まいコンクール」は、県産木材をふんだんに使った「さがの木の住まい」を募集し、「木の心地よさ」や「かっこよさ」が表現されている魅力的なデザインを表彰しています。また、この優れた事例を広く紹介し、県産木材への関心や理解を深めてもらい、利用してもらうきっかけ作りに努めています。

 この「さがの木の住まいコンクール」には「新築住宅部門」と「木質化部門」があり、県産木材が使用された空間を幅広く募集しています。新築や増築、改築やリフォームに合わせて、天井や床、壁、窓枠などの屋内や、外壁など屋外に木材を利用する「木質化」が最近注目され始めていますが、第8回の木質化部門「最優秀賞(佐賀県知事賞)」に、ビル・マンションの総合管理や公営住宅・公共施設の指定管理を手がける株式会社マベック(佐賀市新中町)が選ばれました。同社は木造住宅の新築・増改築と住宅リフォーム工事も手がけています。

 「最優秀賞」を受賞した株式会社マベックが設計・施工したのは、佐賀市の「道の駅大和」近くにあるゲストハウス「Kominka 火風水土(こみんか ひふみど)」(大和町梅野)。佐賀牛専門の焼き肉店「竜馬」(鍋島3)などを経営する「テイクス」(同)が、空き家になっていた築150年以上の農家古民家をフルリフォームすることで誕生しました。宿泊体験はもちろん、農業体験や自然体験、料理教室、自家製の炭を使った佐賀牛BBQ体験など、さまざまな体験ができるほか、レンタルスペースとしても活用されています。また、2022年にはドーム型テントのグランピング施設「火風水土」もオープンしました。

 受賞にあたり、審査委員からは「構造材は既存の木材に修復を施し、化粧材には県産木材を使用するなど、趣のある日本家屋のイメージを壊さないように工夫している。自然と一体になった施設でありながら、内部の動線の流れが素晴らしく、多くの人が使いやすいように空間スペースを広くとっているのも高いポイント」と評価を受けました。県産木材を多く活用しながら、かつ使い心地の良い建物は、佐賀の「木質化」の象徴のひとつになりそうです。

「Kominka火風水土」のメインとなる2部屋の和室

 今回、株式会社マベック執行役員・建築部部長の徳永浩史さん、建築課課長代理の川田篤志さん、営業企画部設計課の古賀明子さん、そして「Kominka火風水土」を運営する坂井珠美さんに、県産木材をふんだんに使った「Kominka火風水土」について伺いました。

「葉隠」ゆかりの土地を引き継ぎ、築150年の古民家再生を決意

 「Kominka火風水土」が所在する「葉隠れの杜」は、「葉隠」を著した山本常朝の師・石田一鼎の石碑と閑居跡がある土地ですが、引き継ぐ人がおらず、管理も行き届かなくなっていたそうです。そこで、「葉隠研究会」の会長からこの土地についての相談を受けた坂井さんは、歴史的にも意義あるこの場所を再生したいと、古民家を含む約7000坪の敷土地を購入しました。

 再生に取り掛かった2020年はコロナ禍で、遠方へ出かけることが難しかった時期。再生に向けた活動を通じて周辺地域の方々とつながる中で、一時期は解体することも考えたという築150年の古民家をリフォームし、この地区の活性化の拠点となればと考えるようになったそうです。「どこまでを残し、生かすことができるか」を、マベックと坂井さんとで細かい調整を重ねながらのリフォームとなりました。

補修により再生された押入れや床の間の建具

 建物の柱はりの多くは既存のものを生かし、室内の建具や土壁を補修して残しました。そして、県産木材を、外装では玄関ポーチ周りの腰壁に、内装では、床材のフローリング、キッチンカウンターとトイレの腰壁にふんだんに使用しました。構造材は既存の木材を補修し、化粧材には県産木材を使用することで、それぞれの木材の役割と特徴を分けるという工夫をしたそうです。「趣ある日本家屋のイメージを壊さず、懐かしさを残しながらも、快適な空間」に仕上がりました。

県産木材をふんだんに使用したキッチンスペース

木材の地産地消で再生した古民家からは懐かしさがあふれる

 坂井さんは「私たちが運営する『竜馬』は、佐賀牛をはじめ、食材の地産地消にこだわっている。『Kominka火風水土』でも、『マベック』のみなさんに協力してもらいながら木材の地産地消にこだわった」と話します。

 また、「当初、この古民家を自分たちのセカンドハウスにしようと考えていた。だが、ゲストハウスとしてオープンしたおかげで、旅行者だけでなく、和楽器や三味線教室、会合など、この地域の住民の方にも利用してもらえるようになった。放置されていた土地が人の集まる場所になったことはもちろんだが、『建物の雰囲気がいい』『時間がゆっくり流れる感じがする』などの感想もあり、古民家を生かしたこの建物にあふれる懐かしさから生まれる交流もあり、この地域の活性化に確かにつながっていて、次の時代にも残していきたいと改めて思った」と坂井さん。

木材の地産地消で再生した古民家からは懐かしさがあふれる

 「ゲストハウスを訪れる県外の方にも佐賀県産木材を知ってもらいたいと思い、カウンターや外壁の腰壁など、できるだけ目につきやすい箇所の化粧材に県産木材を使いました。特に畳の代わりに敷き詰めた杉板のフローリングは、木の柔らかさを素足で感じてもらえると思います」と「マベック」のみなさんは話します。

 「当社は、30年くらい前から古民家再生に取り組んできました。古民家再生における木材活用は、細やかさが求められ、難しいところも多い。近年、大工や左官など、いわゆる『職人』の技術を持った人も少なくなる中、今回の再生実績は大変ありがたい。古民家をどのように残すか、生かすかは課題になっているが、一方、SDGsの観点から住宅以外の場でも木造建築を志向する方も増えてきているので、施主さんと共に県産木材と向き合っていきたい」と話します。

株式会社マベック執行役員・建築部部長の徳永浩史さん(右)、建築課課長代理の川田篤志さん(左)、営業企画部設計課の古賀明子さん(左から2人目)、「Kominka火風水土」を運営する坂井珠美さん(右から2人目)

 佐賀県では、「持続可能なさがの森林・林業の確立」を目指し、「森を守る」「人を育てる」「(県産の)木を使う」という3つの軸でさまざまな取り組みを行っています。「木を使う」取り組みのひとつとして実施する「さがの木の住まいコンクール」では、県内の素敵な新築住宅や木質化空間を募集・PRしています。県林業課のホームページ「よかウッド」では今までの受賞作品を見ることができます。新たな住宅はもちろん、リフォームでも県産木材を積極的に使って、心地よい木の空間に触れてみませんか。

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