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小城で歴史映画上映会 「正直に生きる大切さ」を地元の偉人通じ描く

「天山(やま)の如く~その男、正直なり~」出演者らによる上映前の挨拶の様子

「天山(やま)の如く~その男、正直なり~」出演者らによる上映前の挨拶の様子

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 歴史ドキュメンタリー映画「天山(やま)の如く~その男、正直なり~」の上映会が10月27日、ゆめぷらっと小城(小城市小城町253)で開催された。

 小城市を舞台に2017(平成29)年から自主映画を製作している団体「小城市映画製作実行委員会」が手掛ける映画第2弾。

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 12歳から16歳までの多感な4年間を小城で過ごした佐賀藩出身の初代司法卿(現在の法務大臣)・江藤新平と、明治から大正時代に活躍し、「明治の三筆」の一人で小城出身の書道家・中林梧竹の2人を主役に、正直にまっすぐ生きることの大切さを描いた。

 田中正照監督は「『正直に生きる』ことの大切さが見失われている今だからこそ、小城の地で育ち『正直』の心を育んだ2人を主役にしたかった。自分の信じる正義に正直に生きた江藤と、『書の道を究めたい』という自分の思いに正直に生きた梧竹の姿から、正直に実直に生きることの大切さを感じてほしいと思い、3年の構想を経て撮影した」と話す。

 当日は開場1時間前から100人以上が列をなし、パンフレットやチラシを手に上映の開始を待つ姿が見られた。会場では、江藤新平を演じた小城高校2年生の岸川結さんが「映画に携わったことで小城の歴史を知るきっかけができたし、自分と離れた世代の人とも交流できてよかったと思っている。映画は皆さんに見てもらえて初めて完成すると思っているので、上映時間いっぱい楽しんでほしい」と呼び掛けた。

 上映会の前半では江藤と梧竹が出会い交流を深め、2人が小城の天山を守る女神・弁財天と出会い、小城の歴史を共に振り返る中で郷土への愛を確認する中盤では笑い声や歓声が起こり、和やかな雰囲気に包まれた。登場人物のなかに知人や友人を見つけた観客から驚くような声も上がった。終盤は江藤の正義に燃えるまっすぐな生きざまに涙を流したり、佐賀の乱で亡くなった江藤に思いをはせる梧竹の姿を静かに見つめたりする観客の姿が多く見られた。エンドロール後には、観客から出演者やスタッフたちをねぎらう温かい拍手が沸き起こった。

 中林梧竹を演じた伊東泰浩さんは「上映会が始まるまでは観客が集まるか不安に思っていたこともあったが、開場してすぐに満杯になった観客席を見てほっとしたし、皆が自分の地元でもある小城の歴史に興味を持って足を運んでくれたことを感じてうれしくなった」と笑顔を見せる。

 田中監督は「スタッフや出演者が全員で一丸となったからこそ、作品を作り上げられたし、今回の上映会を開催することができたと思っている。小城の人々が演技や裏方、撮影協力などさまざまな形で協力し合って作り上げた『総合芸術』で、集まった観客を感動させられたと思うと感慨深い」と振り返る。

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