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佐賀県立美術館で西洋画家・辻永の作品展示 佐賀出身画家・岡田三郎助との縁で

辻永が描いた植物画105点の一部

辻永が描いた植物画105点の一部

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 佐賀県立美術館(佐賀市城内1)4号展示室で3月16日、明治から昭和にかけて活躍した西洋画家・辻永(つじひさし)の作品の展示が始まった。

辻の植物画をまとめた「萬花図鑑」と「萬花譜」

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 佐賀県出身で明治から昭和初期にかけて活躍した西洋画家・岡田三郎助が東京・恵比寿に構えていたアトリエを佐賀県立博物館横に移設して1周年を記念した展示「岡田三郎助と花物語 ―万花描く辻永(つじひさし)とともに―」の中で展示される。辻が生前、岡田と深い親交があり、岡田の死後、東京の岡田のアトリエを引き継いで管理していたことから、同館初の展示を決めた。同館学芸員の岩永亜季さんは「開催に当たり辻の作品を所蔵する水戸市立博物館に連絡を取ったところ、快諾してもらえた。茨城県出身ながら佐賀にも縁がある画家なので展示できてうれしい」と笑みを見せる。

 同展では辻が生涯描き続けた植物画2万点のうち105点を展示。自宅に咲いていたものを描いた「さつき」や「ふくじゅそう」のほか、肥前小城(現在の佐賀県小城市)の家で病床の父を慰めようと描いた「ぼけ」や「あらせいとう」、東京の岡田のアトリエを訪ねて描いた「はこべ」「たらよう」など計105点が並ぶ。

 「細やかさとラフさが同居した絵と、その側に書かれた日付やどこでどのように描いたかを示すメモ書きのバランスがどこかほほえましい」(岩永さん)というスケッチは、来館者からも「かわいらしい」と評判になっているという。ほかにもスケッチの総集編として出版し、岡田が出版を祝って表紙裏のデザインを手掛けた「萬花図鑑(ばんかずかん)」やその続編「萬花譜(ばんかふ)」も展示する。

 岩永さんは「女性や風景の美しさを引き立てたり、作品全体の雰囲気を表したりするツールとして花を用いた岡田に対し、花そのものの魅力に引かれ、作品のメインとして描き続けた辻。全体を通して2人の『花』に対する考え方の違いが美しく対比された展示になっているので、ぜひ足を運んでほしい」と呼び掛ける。

 開館時間は9時30分~18時。月曜休館(4月29日、5月6日を除く)。入場無料。5月6日まで。

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