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佐賀で「北海道開拓の父」島義勇銅像披露 北海道知事ら招き建立祝う

除幕式で佐賀県知事や北海道知事らが並び、テープカットを行う様子

除幕式で佐賀県知事や北海道知事らが並び、テープカットを行う様子

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 北海道開拓し札幌の街の基礎をつくった佐賀の七賢人、島義勇の銅像建立記念セレモニー・除幕式が11月11日、佐賀県立美術館ホール(佐賀市城内1)などで開催された。

「幕末・維新 佐賀の八賢人おもてなし隊」島義勇役の谷口文章さんによる「島義勇物語」の一場面

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 佐賀藩10代藩主・鍋島直正の命で蝦夷地(現在の北海道)を探検、開拓した島義勇の開拓者精神と熱い志を、明治維新150周年にあわせて後世に伝えたいという佐賀県の提案で、佐賀大学地域芸術デザイン学部の徳安和博教授が「蝦夷地への探検に向かう島の姿」をイメージして銅像を制作した。肥前さが幕末維新博事務局の井上隆弘さんは「島は北海道では業績が認められ『判官さま』として親しまれており、銅像も北海道神宮などに合計3体ある。一方、佐賀での知名度は低く銅像はおろか顕彰碑もない。佐賀の人にも島のことをもっと知ってほしいと思った」と話す。

 セレモニーでは「キッズミュージカル鳥栖」が「歴史を学ぶ意味」をテーマにしたミュージカル「あの雲にすわって」の一部を披露すると、会場からは温かい拍手が響いた。続いて「幕末・維新 佐賀の八賢人おもてなし隊」で島義勇役を演じる谷口文章さんが、蝦夷地への探検を命じられてから志半ばで開拓判官の職を解かれるまでを描く「島義勇物語」を披露すると、熱い演技に来場者は夢中で見入っていた。

 パフォーマンスの後にあいさつした北海道の高橋はるみ知事は「島はまさに『北海道の大恩人』。彼の熱い思いが現在の北海道につながっていると思うと、感謝の気持ちでいっぱいになる」と話した。札幌市の秋元克広市長は、現代の「島義勇」を演じる谷口さんにも一礼。「まさか『ご本人』にお会いできるとは思わなかった」と笑いを誘いつつ「島はまさに『行政マンの鏡』。現在の北海道がここまで発展したのは、世界に誇る街を作ろうと自らの足で調査などに向かい、奮闘した彼のおかげ」と話した。

 セレモニー後、銅像前に移動して行われた除幕式では、佐賀北高校吹奏楽部の演奏によるファンファーレに合わせて銅像を覆っていた布が取られると、台座を含め高さ約3.5メートルの島の雄姿に集まった人々からは割れんばかりの拍手が響いた。除幕の後に「祝砲」としてアームストロング砲の空砲が3発響き、祝いのムードを高めた。

 井上さんは「ようやく地元である佐賀にも島の銅像を建てることができた。開拓へ一歩踏み出す島の姿を通して『北海道開拓の父』と呼ばれた彼の功績や志に思いをはせてもらいたい」と呼び掛ける。

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