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佐賀市佐野常民記念館で企画展「緒方洪庵と佐野常民」 佐野常民のルーツに迫る

展示された当時のオランダ語辞書「ズーフハルマ」とともに笑顔で来場を呼び掛ける学芸員の近藤晋一郎さん

展示された当時のオランダ語辞書「ズーフハルマ」とともに笑顔で来場を呼び掛ける学芸員の近藤晋一郎さん

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 企画展「緒方洪庵と佐野常民 唯おのれをすてて人を救わんことを希(ねが)ふべし」が11月3日、佐賀市佐野常民記念館(佐賀市川副町早津江津)で始まった。

適塾の学生が使用していたものと同じオランダ語の文法書「和蘭文典」原本など、展示の一部

 明治維新150周年に合わせて、日本赤十字社の創始者・佐野常民の博愛の精神に影響を与えたと言われる幕末の蘭学者・緒方洪庵と、彼が開いた蘭学塾「適塾」と門下生たちを紹介する同展。

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 同館学芸員の近藤晋一郎さんは「佐野常民の業績として最初に思い浮かぶのが博愛社の創設。その原点には大阪の『適塾』で緒方洪庵に学んだことも少なからずあったのではと考えた。約半年だけの関係だったにも関わらず、その後の佐野に大きな影響を与えた人物として洪庵を紹介したいと企画した」と話す。

 同展では「めったに展示することがない」(近藤さん)という洪庵の肖像画や当時「適塾」で使われていたものと同じオランダ語の文法書「和蘭文典」、洪庵が医師の倫理感について書き記し、同展のサブタイトルにも一部が抜粋された「扶子医戒乃略(ふうしいかいのりゃく)」の巻物、天璋院篤姫や本珠院ら幕府の要人を診察した際の記録を展示。大村益次郎が長州藩に仕える際したためたという履歴書や、福沢諭吉の書など「適塾」卒業後の塾生たちに関する資料も並ぶ。近藤さんは「展示を見ると、現在放送中の大河ドラマ『西郷どん』に登場した人物の名も多く見られる。洪庵がそれだけさまざまな人と関わったことが分かる」とほほ笑む。

 「のちの世に大活躍する塾生を育てた教育者としてはもちろん、医者としても一人の男としても魅力的な洪庵。今回の企画展を通じて、洪庵の人物像や考え方はもちろん、佐野を始めとした塾生たちの活躍をしってほしい。佐野の活動の指針となった洪庵の教えや心意気を、展示品から感じとってもらえれば」と来場を呼び掛ける。

 開館時間は9時~17時。12月3日・10日休館。観覧料は大人=300円、小中高生無料。12月16日まで。

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