コンサート「佐賀女子短期大学プレゼンツ 駅の音楽会~みんなの時間~」が11月3日、JR小城駅(小城市三日月町久米)の構内で開かれた。
オランダとの交流を深める佐賀県のプロジェクト「SAGA SEA(サガ・シー)2018」の一環として、駅に置かれたピアノを誰もが自由に演奏できる「ストリートピアノ」を佐賀でも展開する「『ピアノの駅』プロジェクト」が今年8月にスタートしたのを受けて、同駅構内にピアノが常設されることになり実現した同コンサート。
企画・構成を手掛けた小城市在住で同大学職員の泉万里江(まりえ)さんは、これまで同大学の地域貢献活動に携わり、学生と住民との草の根の交流が、地方創生にもつながると実感したという。自身も音楽活動をし、小城市から駅のピアノを使ったコンサートを提案されたという泉さんは「音楽を通して地域を盛り上げる機会をもらったと思った。せっかく設置されたピアノを、小城市の地域振興のシンボルにできたらとの思いで、学生、職員らと準備を進めてきた」と振り返る。
前半には同大学の現役学生、職員が演奏。後半は地元小城のミュージシャンがパフォーマンス。「佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」の開催と重なったこの日、演奏開始の13時ごろには、バルーン会場への行き帰りに電車を利用する人でごった返し、見慣れない駅の中での演奏会に興味深く耳を傾ける人の姿が多く見られた。
ピアノを演奏した同大学職員の針﨑(はりさき)万梨恵さんは「駅で初めてピアノを弾いた。ピアノ音の響きが想像以上に良くて心地よかった」と満足げに話した。ピアノ弾き語りのパフォーマンスを行った小城市立牛津小学校6年の中島彩人(あやと)さんは「練習してきたオリジナル曲を披露できた。ライブ活動をスタートさせたばかりだが、地元の小城駅での演奏はいい思い出になった」と笑顔を見せた。
泉さんは「行き交う人が足を止め音楽に聴き入る姿に感動した。このコンサートを今後も定期的に開催して、ストリートピアノの文化をこの地域にも根付かせたい」と話す。