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佐賀・徴古館で鍋島栄子のドレス展示 大河ドラマ「花燃ゆ」の衣装モデルにも

江戸時代末期の小袖をもとに作られたバッスル・ドレスの一部

江戸時代末期の小袖をもとに作られたバッスル・ドレスの一部

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 徴古館(佐賀市松原2)で8月25日、佐賀藩11代藩主鍋島直大(なおひろ)の妻・栄子(ながこ)の小袖地バッスル・ドレスの展示が始まる。

2016年に開催した企画展「侯爵鍋島家と東京」でのドレス展示の様子

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 「肥前さが幕末維新博覧会」開催に合わせて、同館で現在行っている特別展「幕末明治の鍋島家 -大名から侯爵へ」。全4期中の第3期の企画としてバッスル・ドレスを展示する。公益財団法人鍋島報效会(ほうこうかい)の池田三紗さんは「秋は行楽シーズンと重なり、来場者数が多くなる。『幕末明治の鍋島家』展のポスターや広告にも大きく使った、まさに『目玉』といえるドレスなので、多くの人に見てほしい」と話す。

 池田さんによると、バッスル・ドレスは19世紀後半に欧米の上流階級で流行したドレスで、日本では1883(明治16)年に落成した「鹿鳴館」での舞踏会をきっかけに、華族の女性の間で多く普及したという。展示する栄子のバッスル・ドレスは江戸時代末期に作られた小袖を仕立てなおしたものであり、背面には小袖の名残である菊や桜などの刺繍や白紗綾形文(しろさやがたもん)の染付模様が見られる。

 「国内でも珍しい、和洋折衷の華やかなスタイル」(池田さん)というドレスは、2015年のNHK大河ドラマ「花燃ゆ」で主人公が着用したドレスのモデルにもなったほか、2016年放送のNHK・BSプレミアム特番「華族 150年の末路~激動を生き抜いた日本の名家~」でも取り上げられたという。

 池田さんは「鹿鳴館での催し物で『欧化主義』が広まる中、夫の直大とともに『海外の文明を学ぶ中でも日本人らしさを失わないでいよう』と心掛けた栄子。江戸時代の小袖を使った西洋式のドレスはその思いをしっかりと表していると考える。この展示で、彼女のドレスから『侯爵(こうしゃく)鍋島家』の華やかさと、芯に秘めた大和心を感じ取ってもらいたい」と呼び掛ける。

 開館時間は9時30分~18時。入館料は大人=400円、高校生以下無料。11月5日まで。

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