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佐賀・名尾手すき和紙工房が新商品 ブランド新たに「人生の節目を残す紙」開発

4種類の「milepaper book」と「還暦の時の紙」の中身

4種類の「milepaper book」と「還暦の時の紙」の中身

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 「名尾手すき和紙」(佐賀市大和町名尾)が立ち上げたプロダクトブランド「PAPER VALLEY(ペーパー・バレー)」が4月4日、第1弾商品「milepaper book(マイルペーパー・ブック)」を発売した。

手すき和紙の前で「milepaper book」を手にする谷口さん

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 17世紀初頭に創業し、和紙の原料であるカジノキの栽培から手すき和紙の製作までを一貫して手掛ける同社。佐賀市北部の山あいに位置する名尾地区はかつて約100の工房が軒を連ねるほど紙すきが盛んだったが、現在は同社のみになっている。

 同社の手すき和紙がこれまで命名書や卒業証書など記念の書類に多く使われてきたことを生かし、佐賀県の商品開発支援推進事業を通じて、工芸品を中心とした経営コンサルティングを手掛ける「中川政七商店」(奈良県)の支援を受け、「残しておきたい紙」というブランドコンセプトを発案。「PAPER VALLEY」というブランドで新たに商品を作った。

 「milepaper book」は、同社が原料の栽培から和紙製作まで一貫して行っていることと人の一生を重ね合わせ、「人生の節目に思いを書き込み将来に残す」商品として、「成人」「結婚」「出産」「還暦」の4種類を展開する。B6判単行本サイズの箱に、それぞれのテーマごとに書き記すための3枚の紙を用意する。「成人の時の紙」は、20年間でうれしかったことや悔しかったことを記入する「記憶の記録」、「両親への手紙」、「〇年後の自分へ」。「結婚の時の紙」は、第一印象やプロポーズの言葉を記入する「記憶の記録(夫から妻へ)」「記憶の記録(妻から夫へ)」、夫婦それぞれからの「未来への手紙」。「出産の時の紙」は「命名の紙」「足形の紙」「両親からの初めての手紙」。「還暦の時の紙」は「これまでの人生」「大切な人への手紙」「人生の教訓」。箱には2センチの厚みがあり、思い出の品も一緒に収納できるという。

 同社7代目の谷口弦さんは「手すき和紙の風合いを味わいながらゆっくりと思いをかみしめて書き込み、タイムカプセルのように将来の楽しみにしてもらえたらうれしい。今後も、オートメーション化、ペーパーレス化が進む現代においてあえて手すきの和紙で面白いものを作っていき、たくさんの人に喜んでもらえたら」と話す。

 価格は各3,240円。「中川政七商店」オンラインショップと全国の同店店舗で販売する。5月26日からは「名尾手すき和紙」直営店でも販売する。

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