佐賀県が3月1日、ウェブサイト「さがすたいる」を開設した。
高齢者、障がい者、妊娠中や子育て中の人に対応した設備やサポートを備える佐賀県内の店舗、施設の情報を紹介する同サイト。
佐賀県県民協同課によると、建物の段差解消などのユニバーサルデザイン化は、店舗や施設事業者の負担が大きく、推進に時間がかかるという。そこで、建物の整備だけなく、人の支えによって当事者をサポートしていく環境づくりを進めようと、「さがすたいる」プロジェクトを発足。ウェブサイト上で高齢者や障がい者、妊娠中や子育て中の人など当事者に配慮した設備やサポートを発信していくという。
このプロジェクトに賛同し、当事者に配慮した設備やサポートを備える、もしくは備える努力をする店舗を「さがすたいる倶楽部」とし、加盟する施設や店舗には来店者の目印となる共通のステッカーを配布する。ウェブサイトには「車イス対応のトイレ」「スロープ設置」「授乳室」などの設備に加え、「お困りごとがあった時のサポート」「筆談対応」「乳幼児連れの場合は優先的にソファー席などの個室に案内」などのサポート情報を、店舗、施設別に現在約300件掲載している。
「さがすたいる倶楽部」の店舗や施設を訪問、当事者に配慮した設備やサホ?ートを自ら体験し、当事者と同じ目線でお薦めポイントなどの感想を紹介する「さがすたいるリポーター」として、子育ての立場から「オヤモコモ」(佐賀市)、障がい者の「〇〇(まるまる)な障がい者の会」(佐賀市)、高齢者を介護する立場から「西九州大学」(神埼市)と「佐賀女子短期大学」(佐賀市)の学生を任命、定型的な情報だけでは伝わりにくい利用シーンをリポートしてもらうことで、店舗や施設の特徴をより分かりやすく発信し、次に利用する方の店選びに役立てる取組も始めた。
同プロジェクトを統括するためのイベントとして、「さがすたいるアワード」の開催も予定し、利用者の評価が高かった店舗や施設などの表彰も行いたいと考えているという。
県民協働課の担当者は「以前から『バリアフリーマップ』はあったが、時代の経過とともに多様なニーズにあわなくなっているのではと感じた。現場の声を聞くことから始め、障がい者や子育て中の皆さんと多くの意見を交わした結果、今回のプロジェクトにたどり着いた。リポーターの皆さんの当事者目線のリアルな体験がそのまま載ることでより使いやすいウェブサイトになると思う。仕事や観光で来られる県外の方にもこのウェブサイトを活用してほしい」と話す。