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佐賀・徴古館で2年目の「通常展」 佐賀鍋島家伝来品をジャンル問わず公開

徴古館の「通常展」をアピールする主任学芸員の池田三紗さん

徴古館の「通常展」をアピールする主任学芸員の池田三紗さん

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 佐賀藩主・侯爵鍋島家伝来品の歴史博物館「徴古館(ちょうこかん)」(佐賀市松原2)で現在、本年度の「通常展」が開催されている。

徴古館の「通常展」で展示する、鍋島家の武器・武具

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 徴古館は、鍋島家12代当主直映(なおみつ)が1927(昭和2)年に開設した佐賀県内初の博物館。開館当初は肥前関係の古文書・古器物を陳列し、現在の県立博物館に当たる役割を果たしたが、1945(昭和20)年に建物接収により閉館。1997(平成9)年に同館の建物が国登録有形文化財となり、1998(平成10)年に公益財団法人「鍋島報效(ほうこう)会」が運営する歴史博物館として展示公開を再開した。

 主任学芸員の池田三紗さんによると、同館には鍋島家にまつわる美術工芸品約4000点、明治以降の文書約4000点を収蔵するほか、佐賀県立博物館や佐賀県立図書館にも合計約3万点の関連文書などを収蔵。これまで年数回の企画展や、毎年2月~3月に開催される「佐賀城下ひなまつり」に合わせて開催する「鍋島家の雛(ひな)祭り展」で収蔵品を公開するほか、県内外での鍋島家に関連する展示に出品している。テーマに合わせた展示となる企画展を中心とした公開では展示の機会がなかった収蔵品も多くあったことから、テーマを設定せずに鍋島家についての展示を見てもらおうと、昨年から「通常展」の開催を始めた。

 「通常展」2年目となる今年の展示は、昨年よりも日程を2カ月ほど早め、5月3日から開催。鍋島焼や有田焼、刀剣や刀装具、茶わんや茶道具、佐賀藩10代藩主・鍋島直正の手紙など初公開を含む所蔵品を展示。期間中に展示の一部入れ替えを行う。今年7月に「三重津海軍所跡」が「明治日本の産業革命遺産」として世界文化遺産に登録されて10年を迎えるのに合わせて、幕末の佐賀藩軍備に関する資料を展示するほか、10月21日から琵琶や雅楽器の展示に関連するイベントとして、11月2日に琵琶奏者・北原香菜子さんの演奏会を開く。

 池田さんは「これまでの企画展メインだと開館日より閉館日が多い年間スケジュールとなっていたが、今後、徴古館含む松原公園整備に向けて、『通常展』という形で開館日を多く設定することができた。PRが難しいが、鍋島家に関する幅広いジャンルの展示を見ていただければ」と話す。

 開館時間は9時30分~16時(入館は15時40分まで)。入館料は300円(中学生以下無料)。月曜休館(月曜が祝日の場合は翌日休館)。12月7日まで。

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